税負担増加で浮上した課税論争
自動車税の過重負担、二重課税の指摘も
税制改革、改善求める声高まる
日本では近年、「103万円の壁」と「106万円の壁」と呼ばれる税制問題が注目を集めている。「103万円の壁」は年収が103万円を超えると所得税が課税される仕組みだ。この制度はパートタイマーやアルバイト労働者に特に影響し、扶養家族の税負担にも波及する可能性がある。
一方、「106万円の壁」は年収が106万円を超え、週20時間以上勤務する場合、健康保険と年金加入が義務付けられる制度だ。政府はこの制度の緩和や廃止を検討しているが、国民負担増加への懸念も高まっている。同様の不安は自動車税についても広がりを見せている。
自動車ユーザーの不満
世界最高水準の自動車税
自動車ユーザーの間で過重な税負担が問題視されている。日本の自動車関連税は購入時、保有時、使用時のそれぞれの段階で課税される。購入時には消費税と環境性能割、保有時には自動車税と重量税が課され、欧米と比較して最大29倍もの負担となっているという。
特に問題視されているのが「二重課税」の疑いだ。自動車重量税などは本来の税率に上乗せして課税され、税制の基本原則である二重課税禁止に抵触するとの指摘が相次ぐ。自動車関連団体は政府に制度改革を強く求めている。
政府主導の税制改革
国民負担軽減は可能か
現在、与野党は「103万円の壁」緩和などの政策を協議している。これは実質所得の増加と税負担軽減を目指す動きと受け止められている。
自動車税制も政府の重要課題だ。日本自動車連盟(JAF)の調査では、95%の回答者が自動車税を過重と感じているという。税制の簡素化と実効性のある国民負担軽減策が求められている。