衝突被害軽減ブレーキの問題点
夜間の認識能力が低下、人を識別できない場合も
安全装備が逆効果になる可能性も
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日本では2021年から新型車への「衝突被害軽減ブレーキ(AEBシステム)の搭載が義務化されており、交通事故削減の有力な手段として注目を集めている。米国でも2029年までに全ての新車にAEBシステムを義務付ける法案が進められているが、その信頼性に疑問を呈する声が上がっている。特に夜間走行時の性能低下が指摘されている。
AEBシステムは昼間の方が優れた性能を発揮し、夜間にはその認識能力が著しく低下することはこれまでにも言われてきた。しかし、米国高速道路安全保険協会(IIHS)の最新の実験結果では夜間に限らず、AEBシステムが逆に事故を引き起こす可能性もあるという衝撃的な事実が明らかとなった。その詳細を見ていこう。
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AEBシステムの夜間テスト
昼間とは大きく異なる結果
IIHSが実施したAEBシステムの安全性能試験では昼間のテストで期待以上の結果が出た。米国で販売されている世界の自動車ブランド23社のうち19社が最高評価を得ている。しかし、夜間のテストでは昼間とは対照的に大きな失望を招く結果となった。
夜間テストではフォード・マスタング・マッハEを含む4ブランドの車両のみが最高評価を得たが、残りの13ブランドは基準値に達しなかった。このテスト中に判明した重要な点は夜間にはAEBシステムが明るい服を着た人を認識できない場合があるということだ。
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夜間には明るい服を識別できない
常識とは逆の結果に
これまでにテストを受けた車両にはホンダ・CR-V、マツダ・CX-5、スバル・フォレスターの3車種があり、ホンダとマツダの車両でこの現象が確認された。この結果は全てのAEBシステムに共通するわけではなく、作動方式によって異なる可能性を示唆している。
夜間に車両をダミー人型に向けて走行させた際、服が明るければ明るいほど事故のリスクが高まる結果が出た。特に歩行者の安全のために着用する反射ベストなどの装備を身につけた場合、逆に事故を引き起こす確率が高くなった。一方、黒い服を着たダミー人形の場合は事故を起こす確率が大幅に低下した。
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過信は禁物
AEBシステムの改善が必要
AEBシステムは交通事故の減少に寄与することが多くの統計で実証されており、世界各国で義務化が進んでいる。しかし、完璧なシステムだとは言い切れない。専門家はAEBシステムに過度に依存しないよう警告している。
IIHSの実験結果はすべてのAEBシステムに当てはまるわけではないが、スバル・フォレスターのように基準を満たす車両も存在する。しかし、注目すべき点は夜間におけるAEBシステムの性能低下が多くの車両で確認されたことだ。この結果からAEBシステムの改善が求められるとともに、ユーザーもその限界を理解し、過信しないようにすべきだろう。