ミニモデルの大胆な変身
フォードの「V8エンジン」搭載
ピックアップトラックとして復活

ミニが従来の可愛らしいイメージを脱ぎ捨て、力強いピックアップトラックとして生まれ変わった。最近、イギリスのGTディベロップメントが1994年に特別に製作したミニ・ピックアップがオークションに出品され、大きな注目を集めている。この車はフォード製のV8エンジンを搭載し、従来のミニとは全く異なる個性を持つことから、さらに話題となっている。
このモデルは世界に1台しか存在しないワンオフモデルであり、3月22日にイギリスでオークションが開催される予定だ。予想落札価格は最高で3万5,000ポンド(約681万円)とされており、小型ながらもパワフルな車を求めるマニア層の間で激しい入札競争が繰り広げられることが予想される。

ミニを超えた
「怪物ピックアップ」の誕生
このミニ・ピックアップはGTディベロップメントがフォードGT40のレプリカを製作した経験を活かして開発された。ボディはクラシック・ミニエステート(カントリーマン)のリア部分を大胆にカットして作られており、一般的なピックアップトラックとは異なり、エンジンはミッドシップ方式で荷台に搭載されている。
搭載されているエンジンはフォード製5.0L V8で、5速マニュアルトランスミッションと組み合わされ、最高出力は300馬力を発揮する。小型のボディにハイパワーエンジンを搭載したことで、圧倒的な走行性能が期待される。オークション主催者によると、コイルオーバー・サスペンションと強化ブレーキシステムを採用し、さらなるパフォーマンス向上が図られているという。
内装は運転に集中するためのシンプルな設計が施されており、アルミ製のミニマルなダッシュボード、スポーツシート、ハーフロールケージ、レーシングハーネスが備わり、まるでレーシングカーのような雰囲気を醸し出している。無駄を省いたデザインから、純粋なドライビング体験に焦点を当てたこだわりの設計となっている。

かつてのレプリカの名門
GTが手掛けた特別な一台
この特別なミニ・ピックアップはGTディベロップメントが1994年に製作した1台である。同社は1990年代初頭、フォードGT40のレプリカ製作で名を馳せた企業で、その精巧なレプリカ技術は自動車マニアの間で高く評価されていた。
当時、GTは自社のエンジニアリング技術をアピールするため、このミニ・ピックアップを製作した。製作から約30年が経過した今、その独創的な構造と強力なパフォーマンスは色あせることなく、むしろレトロデザインとハイパフォーマンスを融合させた車両の人気が高まる中、再び注目を集めている。
今回のオークションに出品されたミニ・ピックアップはコレクション価値だけでなく、実際のドライビングの楽しさも兼ね備えており、非常に意味深い一台だ。クラシックなミニとフォードの異色のコラボレーションが生み出したこの車が、どのような評価を受けるのか、関心が高まっている。