現地時間の7月30日、ニューヨーク証券市場では、テクノロジー株が大幅に下落した。
前日0.1%下落していたダウ・ジョーンズ工業株平均は、強含みに転じた。一方、前日強含みだったスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)500とナスダックは、同日午後の取引でそれぞれ0.9%、1.7%急落した。
米連邦準備制度(FRB)は同日、2日間の予定で連邦公開市場委員会(FOMC)を開始し、取引終了後にはマイクロソフト(以下、MS)の四半期決算発表が予定されている中、投資家心理が大きく揺らいでいる。
テクノロジー株の弱含みは、人工知能(AI)のリーダー的企業であるエヌビディアと最近強含みを見せている電気自動車メーカーのテスラによって引き起こされた。
エヌビディアは、MSの決算発表でビッグテック企業が独自のAI半導体開発を加速化していることが証明されるとの見通しにより影響を受け、急落した。
MS、アルファベット、アマゾン、メタ・プラットフォームズ、アップルなどが独自の半導体を開発することでエヌビディアの市場支配力が弱まるとの懸念が売り圧力を引き起こした。
エヌビディアはこれまで株価が急激に上昇していたため、投資家は利益確定のための良い口実を見つけたとの分析もある。
エヌビディアは競争激化の懸念の中、午後の取引で6.8ドル(6%/約1018円)急落し、104.8ドル(約1万5689円)となった。
エヌビディアと共に韓国の個人投資家が集中して投資しているテスラも同日大幅に下落した。大規模なリコールのニュースが株価急落を引き起こした。テスラは午後の取引で9.6ドル(4.1%/約1437円)急落し、222.6ドル(約3万3323円)を記録した。
米高速道路交通安全局(NHTSA)によると、テスラは一部のソフトウェア欠陥により車両のフードが開いていることを感知できない問題が明らかになり、発生する可能性のある約185万台をリコールした。
2021年から2024年式のモデル3と最高級車種であるモデルS、モデルXがリコール対象で、モデルYは2020年から2024年式がリコール対象である。
リコールはあるものの、テスラの業績に大きな影響を与えることはないと見込まれている。ソフトウェアの欠陥であり、無線通信(OTA)方式でソフトウェアを更新すれば解決できる問題のためである。一部ではこれを買いのチャンスとも捉えている。
これまで大きな利益を得た投資家が評価益を確保するために株式を売却している今こそが、急激な上昇によりなかなか手が出しにくかったこれらの大型テクノロジー株の購入を可能にしているとのことである。