「ウォール街の恐怖指数」と呼ばれるシカゴ・オプション取引所（CBOE）のボラティリティ指数（VIX）が、現地時間の5日、4年ぶりの高水準に達した。
米株式市場は、新型コロナ感染症よる封鎖で崩壊した2020年3月以来の最高水準である。当時、米連邦準備制度理事会（FRB）は、2回にわたり緊急金利引き下げを行った。
VIXは、5日午前の取引で65ポイントを超える強気を記録した。午後には上昇幅が大きく縮小したが、それでも先週末より9.71ポイント（41.51%）急騰した33.10となった。
VIXが30を超えたということは、市場が「急激な変動」状態に入ったことを意味する。
米株式市場の3大指数はすべて2%を超えて暴落した。午後の取引では、テクノロジー株中心のナスダックが2.8%暴落して1万6298、スタンダード・アンド・プアーズ（S&P）500は2.4%暴落して5216に滑り落ちた。
大型優良株30銘柄で構成されるダウ・ジョーンズ工業株価平均も900ポイント以上暴落し、2.3%暴落した3万8832に沈んだ。中小型株2000銘柄で構成されるラッセル2000は、3.2%暴落して2042に落ち込んだ。
同日、VIXは取引開始早々65ポイント以上に達することもあった。わずか1週間前まで約17ポイント、2日にも約23ポイントで取引を終えたVIXが、瞬く間に2日の終値に比べて3倍近く急騰した。
これは2020年3月の新型コロナによる封鎖措置に伴う証券市場崩壊時に記録された以前の最高値85.47以来の最高水準である。しかし、専門家たちはパニックを警戒している。
VIXの急騰が、しばしば急激な市場売りとともに現れることがあるが、通常このような急激な変動は短期的に留まり、株式市場の反発の前触れとなることが多いと指摘している。
代表的なウォールストリートの楽観論者の一人であるファンドストラットのトム・リーリサーチ責任者は、CNBCとのインタビューで「VIXが高値をつけて下落し始めると、急激な回復が見られる可能性がある」と述べ、「VIXの動向を注意深く観察すべきだ」と忠告した。