ラジオ・フリー・アジア(RFA)は、6日、先月末北朝鮮の鴨録江(アムノッカン)周辺で発生した洪水により、下流地域のいくつかの堤防が崩壊したと報じた。民間衛星サービス「プラネット・ラボ」が2日に捉えた衛星写真をもとにした報道である。
衛星写真を見ると、鴨録江の威化島(ウィファド)にある東下里(トンハリ)村では、洪水被害を防ぐため設けていた多数の堤防が崩壊し、低地が水に浸かっている様子が確認できる。また、威化島を横切る長さ4キロの水流が新たに生じていることもわかる。
米衛星写真分析家であるジェイコブ・ボグル氏はRFAに対し、「ほとんどの被害は農地と農業施設に限られているようだが、洪水がひどかった際には数十軒の住宅が浸水した可能性がある」と述べた。
彼はさらに「今回の衛星写真では新義州(シニジュ)の浄水場は水に浸かっていないが、先月末に水位が最高に達したときには浸水していた可能性がある」と付け加えた。
浄水場が浸水していた場合、飲料水不足や水系感染症が発生する恐れがある。
新義州の浄水場は2010年8月の豪雨時にも浸水し、国際赤十字社が鴨録江流域の住民1万6000人に580万リットル以上の飲料水を提供したことがある。
しかし、現在は北朝鮮当局が新型コロナウイルス感染症の影響で平壌を離れた国際機関の職員の入国を許可していないため、国際社会の支援が可能かどうかは疑問だとRFAは報じた。