人工知能(AI)バブルが崩壊する前兆であろうか。AI半導体のリーダー格であるエヌビディアの株価は、7日(現地時間)に大きく変動した。
午前の取引では前日比4.55ドル(4.4%/約665円)急騰し108.80ドル(約1万5900円)まで上昇したエヌビディアは、午後に入ると弱気に転じ、4%以上急落。最終的に100ドル(約1万4600円)を下回った。好材料が続いたものの、株価が急落したのだ。
前日の取引終了後、AI用サーバー・データセンター企業のスーパー・マイクロコンピュータ(SMCI)が四半期業績発表を行い、エヌビディアのブラックウェル半導体出荷遅延が大きな問題にならないと楽観視した。
エヌビディアはまた、サムスン電子のHBM(高帯域幅メモリ)がエヌビディアのAIプラットフォームに搭載されることで供給制約問題が一部解消されるとの期待が寄せられていた。
ブラックウェル出荷遅延、問題なし
SMCIの最高経営責任者(CEO)であるチャールズ・リャン氏は、6日に四半期業績を発表し、エヌビディアの次世代AI半導体ブラックウェルの出荷遅延が大きな問題にはならないと断言した。
同氏は、新技術が適用された半導体を開発する際、このような出荷遅延問題は異常ではなく、ブラックウェル半導体の出荷遅延にもかかわらず、SMCIは既存のホッパー半導体を活用してサーバーとデータセンターを供給できることを示唆した。
彼は、ブラックウェル出荷遅延がどれくらい続くかわからないが、来年の第1四半期まで半導体供給の量が深刻な支障をきたすとは予想していないと楽観的であった。
サムスン電子HBM
エヌビディアは供給網の滞り問題も一部解消した。
サムスン電子のHBM3E半導体がエヌビディアのAI半導体適合性テストを通過したとの報道があったのだ。
エヌビディアはサムスン電子の参画により、SKハイニックスや米マイクロンなど3つのメモリ大手からAI半導体プラットフォームに必要なHBMを調達することができるようになった。
好材料にもかかわらず株価は急落
しかし、AI半導体関連銘柄は同日急落した。
エヌビディアは取引終了30分前に一部の下落を取り戻したが、4.00ドル(3.84%/約584円)急落し100.25ドル(約1万4650円)を記録した。
前日、期待を下回る四半期業績を発表したものの楽観的な見通しと10対1の株式分割を発表したSMCIは、20%近く暴落し、119.79ドル(19.42%/約1万7500円)暴落し97.15ドル(約1万4200円)に落ち込んだ。
マイクロンは1.28ドル(1.43%/約187円)下がり87.73ドル(約1万2800円)で下落を続け、ブロードコムも1日で下落に転じ5.48ドル(3.81%/約800円)急落し138.44ドル(約2万240円)に滑り落ちた。
同日、米株式市場の上昇にもかかわらず、これらの銘柄が弱気を示し、AIバブルが徐々に崩壊しているのではないかという懸念が浮上した。