長きにわたり懸念されてきた南海トラフでの巨大地震が実際に発生する可能性が高まり、「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」を気象庁が発表した。
お盆休みの連休を前に気象庁の発表を受け、慌ただしく生活必需品の備蓄を行う人が増えている。
8日午後4時43分頃、宮崎県日南市で震度6弱の地震を観測して以降、「X」(旧Twitter)には宮崎県内や周辺地域のスーパーの様子を収めた写真の投稿が目立つようになった。
写真からは本来であれば棚一面に陳列されているはずのミネラルウォーターやトイレットペーパー、インスタント食品などが完売している様子がわかる。
また、震源地から離れた東京のスーパーでもこのような現象が起きているという。
ある投稿者は「なぜ、東京でも買い占めが起こっているのか」というテキストとともに、ミネラルウォーターが箱単位で棚から消えていく様子を収めた写真を公開した。
複数のスーパーを探し回ってもミネラルウォーターを買えない人も出てきている。あるネットユーザーは「スーパーを探し回ったが、買い占めが起きているのかどこも水が品切れだった」と訴え、投稿した写真には、ミネラルウォーターが一切並んでいない空っぽの棚と水を買うためにレジに列を作って並ぶ人々の姿が写っている。
ミネラルウォーターの購入が困難になると、オンライン上にはバケツやポリタンクにあらかじめ水道水を備蓄する方法が共有され、実際に水道水で満杯にした大容量のポリタンクの写真を投稿する人もあらわれた。
南海トラフ地震はおおむね100~150年間隔で繰り返し発生している。前回の南海トラフ地震(1944年、1946年)が発生してから80年近く経過しており、気象庁も次の南海トラフ地震発生が迫ってきているとみている。
気象庁の被害想定では南海トラフ地震が発生した場合、最大震度7以上となる可能性があるほか、広い地域で震度6強から6弱の強い揺れになると推定されている。
一方、9日、岸田総理は長崎原爆の日の平和祈念式典に出席後、中央アジア・モンゴルへの訪問を予定していたが、中止を決定した。中央アジア5か国との首脳会合を含め、可能な日程はオンラインで実施する意向だ。