金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮国務委員長がドイツのメルセデス・ベンツの最高級新型SUVを保有していることが確認された。
朝鮮中央通信が今月10日に公開した写真によると、最近深刻な水害被害を受けた平安北道新義州を訪れ、現場指導を行った金委員長は、専用列車の一両のドアを完全に開放し、車両を舞台に被災者の前で演説を行った。
その際、列車のドアの後ろに置かれたSUVがカメラに捉えられた。この車両は、韓国で今年4月に販売が開始された「メルセデス・マイバッハGLS 600 4MATICフェイスリフト」モデルと推定されている。韓国での販売価格は2億7900万ウォン(約3000万円)から始まる超高価な新型モデルである。
ナンバープレートには「7 27 1953」という数字が記されており、これは北朝鮮が朝鮮戦争でアメリカに対抗して勝利したと主張し、「祖国解放戦争勝利記念日」として記念する日付だ。
この写真が公開された後、北朝鮮が国連安全保障理事会(安保理)の対北制裁を巧みに回避しているとの指摘が相次いだ。安保理は2017年から北朝鮮への車両などの輸送手段の移転を禁止している。
しかし、金委員長は安保理の対北制裁を嘲笑うかのように、今年1月にもメルセデス・マイバッハGLS 600に乗って登場した。そして、わずか半年の間に新しいベンツSUVを購入したと見られている。
金委員長の「ベンツ愛」は広く知られている。先月6月、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が24年ぶりに平壌を訪れ、世界の注目が集まった際には、公式歓迎式でベンツに乗って華やかなパレードを披露した。
金委員長はマイバッハGLS 600のほかにもマイバッハセダンやリムジンを保有しており、日本のトヨタが製造した高級ブランド、レクサスのSUVも愛用していることが知られている。