イタリア有数の富裕層居住地であるポルトフィーノで、突然の「エアコン戦争」が勃発している。
14日、現地の新聞コリエーレ・デラ・セラによると、当局のエアコン取り締まりを契機に住民同士が互いに通報し合い、村の雰囲気が悪化しているという。
400人にも満たない住民が住むポルトフィーノは、1935年国立公園に指定され、数年前までは建物へのエアコン設置が全面的に禁止されていた。その後、規制は緩和されたが、依然として設置条件は厳しく設置前に許可を得る必要があり、都市の景観を損なわないことが求められる。
メディアによれば、ここ数年の気候変動の影響で、この地域でも夏の暑さが厳しくなり、当局の許可を得ずに無断でエアコンを設置する家が増えているという。
これに対し、ポルトフィーノ当局は今年1月から5月まで取り締まりを行い、テラスや屋上に違法設置された22台の室外機を発見した。気温が急上昇した6月以降には、さらに15件を摘発し、罰金が科せられた。
一部の住民は屋上に室外機を設置したり、周囲と同じ色のペンキを塗って隠蔽したが、住民の協力のおかげで隠された室外機を見つけることができたとメディアは伝えている。
コリエーレ・デラ・セラは、警察が匿名メールの助けを借りていると報じている。彼らは室外機の騒音が気になっていたり、自分を通報したと思われる近隣住民に対する報復として警察に匿名通報をしていると見られる。
近隣住民に招かれて訪問した後、こっそりエアコンの写真を撮って警察に渡した事例もあると現地メディアは伝えている。
ポルトフィーノは19世紀からヨーロッパの上流階級の休暇地として知られるようになった。青い海と港を囲むようにカラフルな家々が調和し、ウィンストン・チャーチル元英国首相、ダイアナ英王妃、ポップスターのマドンナなど著名人の隠れ家となってきた。
昨年4月には、経済財務省によってイタリアで最も裕福な地方自治体として選ばれたこともある。