生後10日の赤ちゃんを車のトランクに放置し死亡させた後、遺体を遺棄した親に実刑が言い渡された。
13日、法曹界によると、韓国の水原(スウォン)地裁刑事11部は、殺人及び遺体遺棄等の容疑がかけられている30代の母Aと40代の父Bにそれぞれ懲役6年と8年を言い渡した。
彼らは昨年12月29日、京畿道(キョンギ道)龍仁市(ヨンイン市)所在の病院で男の子を出産した後、今年1月8日に退院し、乳児を車のトランクに放置して死亡させた疑いで裁判にかけられた。
赤ちゃんが死亡すると、彼らは同じ月の21日、京畿道華城市(ファソン市)の西新(ソシン)の海辺で、茂みに子供の遺体を遺棄した疑いも持たれている。
警察は2月6日、「茂みの中に赤ちゃんの遺体のようなものがある」と市民から通報を受け、捜査に乗り出し翌日二人を逮捕した。
二人は内縁関係であったと知られ、子供を育てる状況ではないという理由などからこのような犯罪を犯したという。
Aは、出産直後に犯罪が行われたため、殺人罪よりも量刑が軽い乳児殺害罪に該当すべきだと主張した。しかし、裁判所はこれを受け入れなかった。この事件の被害者が分娩直後の乳児ではない点など要件が満たされておらず、一般殺人罪に該当すると判断されたためである。
裁判所は「Aは自分が生んだ子供を車に数日間放置し死亡させ、遺体を海辺に遺棄した」と厳しく指摘した。続けて「このような悲劇が繰り返されないよう、厳しい処罰が行われるべきだという社会的な要求も無視できない」と指摘しつつも、「被告人が自らの過ちを反省しており、共犯関係にある子供の父親に心理的に依存していた点、共犯の意志を盲目的に追随した点などが有利な事情として考慮された」と判示した。
一方、Bは裁判過程で「子供は病院からすぐに養子に出されたと思った」とし、容疑を全て否認した。
しかし、裁判所はBの犯罪事実を全て有罪と認めた。Aの法廷での証言と防犯カメラの映像など客観的な資料に照らし合わせた場合、被害乳児が車のトランクに放置されていた事実を知らなかったとする主張は受け入れがたいとの理由であった。
裁判所はBに対し「被告人は自らの過ちを全く反省していない」とし、「犯罪をAに転嫁し回避しているため、罪質を重く見なければならない」と量刑理由を説明した。