米共和党の大統領候補であるドナルド・トランプ前大統領が、ライバルである民主党の大統領候補カマラ・ハリス副大統領の弱点とされている、過去の「スキャンダル」を言及した結果、真実を巡る攻防戦に巻き込まれた。
同件は一度ハプニングとして一段落していたが、9月10日にABCニュース主催で行われる始めてのテレビ討論会など、残りの選挙戦でトランプ前大統領がハリス副大統領を攻撃するための素材として使い続ける可能性があると見られる。
10日、イギリスの日刊紙「ガーディアン」などによると、トランプ前大統領は8日(現地時間)記者会見で「黒人政治家のウィリー・ブラウン氏(90)とハリス副大統領の『スキャンダル』がハリス副大統領のキャリアにおいてどのような役割を果たしたのか」という質問に対し、「彼をよく知っている。一緒に乗ったヘリコプターが墜落しかけて緊急着陸したことがある」と答えたとのことだ。
続けて「当時、ブラウン氏がハリス氏は『ひどい』と言った。ブラウン氏はハリス氏が好きではなかった」と主張した。
ブラウン氏はカリフォルニアの政界の大物で、無名の若者であったハリス氏の政界入門に大きな影響を及ぼした人物である。
ハリス副大統領は、アラメダ郡地方検事を務めていた1994年にカリフォルニア州議会の議長だったブラウン氏に出会い、私的な関係に発展した。当時ブラウン氏は60歳、ハリス副大統領は29歳で、ブラウン氏は法的に離婚していなかったとされる。
二人は1年後に別れたが、ブラウン氏の後援と支援のおかげで、ハリス副大統領はその後サンフランシスコの地方検事長、州司法長官、上院議員、副大統領などの道を歩んだ。ブラウン氏はメディアとのインタビューで、「トランプ氏とヘリコプターに乗ったことはない」と否定した。
記者会見の翌日である9日、カリフォルニア州の上院議員を務めた黒人政治家ネイト・ホールデン氏(95)は、政治専門サイト「ポリティコ」とのインタビューを通じて、トランプ氏とヘリコプターに乗って危険な体験をしたのは自分だと明らかにした。彼はその時ハリス氏の名前は一度も出なかったとし、「彼(トランプ氏)が誰かを勘違いしたか、嘘をついているようだ」と述べた。
しかし、トランプ側は従来の主張を曲げていない。海外メディア「ロイター通信」によると、トランプ陣営のスティーブン・チョン報道官は、ホールデン氏のインタビューに関連する質問に対し、「ホールデン氏は嘘をついているか、記憶に問題があるようだ」と主張した。
しかし、トランプ側は従来の主張を曲げていない。ロイター通信によると、トランプ陣営のスティーブン・チョン報道官は、トランプとヘリコプターの緊急着陸を経験したというホールデンのインタビューに関連する質問に対し、「ホールデンは嘘をついているか、記憶に問題があるようだ」と主張した。