データセンターに特化した半導体専門企業「FADU(ファンドゥ)」は、6~8日(現地時間)、アメリカのシリコンバレーで開催された世界最大規模の半導体展示会「2024 FMS(Future of Memory and Storage)」に参加し、ウエスタンデジタル、メタと共に3社共同の基調講演を通じて確固たる協力関係を示したと12日に発表した。
イベント初日、FADUは「AI革命を導く」というテーマで講演を行い、AI時代のフラッシュメモリストレージの発展方向を提示し、SSDとコントローラー技術の革新的な変化を見通し、業界の注目を集めた。また、次世代SSDの開発計画を紹介し、5世代(Gen5)および6世代(Gen6)コントローラー市場をリードする企業としての未来戦略を明らかにした。
ウエスタンデジタルのエリック・スパニュート(Erik Spanneut)、メタのロス・ステンフォート(Ross Stenfort)と共に基調講演者として登壇したFADUのマーケティング副社長であるアヌ・マーシー(Anu Murthy)は、フラッシュメモリストレージの未来と、それに伴うSSDおよびコントローラー技術の変化について話し、高性能・高効率中心の標準化を提案した。
また、△AI時代に合わせた次世代SSDの開発 △次世代SSDコントローラーのリーダーとしての地位確立 △CXLを中心とした次世代データセンターシステムなど、FADUが切り開くべき未来を明らかにした。
FADUは今回のFMSで大規模な展示ブースを設け、AI時代に対応した様々な次世代データセンター・ソリューションを多数発表した。従来のSSDで効率性をさらに最大化するDRAMレス(DRAMless)企業向けSSD製品を世界初公開し、FDP(Flexible Data Placement)、ATS(Address Translation Service)など次世代企業向けSSD(eSSD)に求められる革新技術も公開した。
AIデータセンターで求められる超高性能・超高効率のGen6 SSDコントローラーと共に、画像処理装置(GPU)やDRAM、SSDで次世代AIデータを構築できる「コンピュート・エクスプレス・リンク(CXL)スイッチ」の半導体も発表され、SSDの電力効率を最大化するために独自で開発した電源管理IC(PMIC)も展示された。
2日目のイベントでは、2024 FMSの場で、中国のストレージ・ソリューション専門企業であるバイウィン(Biwin)との協力を公式化する了解覚書(MOU)が締結された。今後、FADUとバイウィンは、△中国国内のクラウド、サーバー/ストレージ企業を対象とした企業向けSSDの開発、マーケティングおよび販売 △中国市場を対象とした消費者向けSSDの共同開発推進 △中国市場向けSSD製品の量産およびテスト施設の設立など、包括的な協力を推進していくという。FADUはバイウィンとの協力を機に、中国市場を積極的に攻略する計画だ。
FADUのイ・ジヒョ代表は「これまで少数の顧客を中心に技術力を確認してきたが、今年からは製品、顧客、市場というすべての面において攻撃的な拡大を通じ、本格的に成長し続けたいと思う」とし「昨年の市場低迷から抜け出し、企業向けSSD市場でグローバルリーダーとしての事業的成果を示していくつもりだ」と述べた。