コンゴ民主共和国を中心にアフリカ中部で感染者が急増しているエムポックス(サル痘)だが、フィリピンでも新たに患者が発生した。
19日、「AFP通信」によると、同日、フィリピン保健省は国内でエムポックスの感染者を確認したと発表した。
感染者は海外渡航歴のない33歳の男性で、およそ1週間前に発熱し、その後、顔や体の様々な部位に発疹が見られたという。
直近の流行型である重症型の「クレード1b」型に該当するかについては、分析結果を待っているとのことだ。
フィリピンでは2022年7月に初めてエムポックスの感染例が確認され、昨年12月以来、10例目で今年に入ってからは初めての感染例だ。
14日、世界保健機関はエムポックスのアウトブレイクについて、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言した。
2022年にエムポックスが世界各地で流行後、収束傾向となった昨年5月に解除されてから、再びの緊急事態宣言となった。
15日、スウェーデンではアフリカ以外で初めて、アフリカへの渡航歴がある感染者から「クレード1b」への感染が確認された。
翌日には、パキスタンでもエムポックス感染者が発生し、パキスタン保健省は変異株かどうか確認を進めていると発表した。
エムポックスはもともと「サル痘」と呼ばれ、1970年にコンゴ民主共和国(当時のザイール)で発見された。
アフリカ中央部や西部の熱帯雨林などでは時折流行していたが、2003年以降にペットを媒介するなどして、アフリカ以外での地域でも感染が報告されるようになった。
エムポックスの症状としては水疱性発疹が見られることが多く、インフルエンザのような症状や皮膚病変、筋肉痛なども引き起こす。