人工知能(AI)半導体大手のエヌビディアが19日(現地時間)、時価総額2位の企業としての地位を堂々と回復した。
12日以降の取引日基準で6日間上昇を続けているエヌビディアは、同日、競合のAMDが自社エコシステムの構築を強化したというニュースにもかかわらず、取引中に2%以上上昇し、時価総額2位を奪還した。
時価総額2位
エヌビディアは同日、米国東部時間で午後1時15分の時点で、先週末より2.96ドル(2.37%/約430円)上昇し、127.54ドル(約1万8550円)を記録した。時価総額は3兆1400億ドル(約457兆円)に膨れ上がった。
同時期に0.14ドル(0.03%/約20円)下落した418.33ドル(約6万900円)で時価総額3兆1100億ドル(約452兆5000億円)にとどまったマイクロソフト(MS)を3位に押し出した。
アップルは2.16ドル(0.96%/約315円)下落した223.89ドル(約3万2600円)であったが、時価総額は3兆4100億ドル(約497兆円)で1位の座を維持した。
エヌビディアは米国景気後退に対する懸念や次世代半導体ブラックウェルの出荷遅延などの悪材料が重なり、7日には1株100ドル(約1万4500円)を下回った。
しかし、その後上昇傾向に転じ、大幅に回復した。7日に記録した終値98.91ドル(約1万4400円)に比べて28.9%、8日に記録した安値97.52ドル(約1万4200円)を基準にすると30.8%急騰した。
競争激化も上昇傾向を止められず
エヌビディアのAI半導体市場を狙うAMDは、19日にデータセンター・サーバー企業ZTシステムズの買収合意を発表し、エヌビディアが支配するAI半導体エコシステムを混乱させるという明確な意志を示したが、エヌビディアの上昇は止まらなかった。
エヌビディアの強みが単に強力なAI半導体ハードウェアの競争力だけでなく、強力なエコシステムに基づいていることに着目し、AMDは今後の競争激化を予告したが、投資家の考えは大きく変わらなかった。
AMDは同日、米ニュージャージー州の非上場サーバー・データセンター設計・構築企業のZTシステムズを49億ドル(約7130億円)で買収することに合意したと発表した。半導体の最大消費市場であるサーバー・データセンター市場で自社需要を確保する戦略である。
エヌビディアが5年前の2019年にAIの未来はデータセンターであることを認識し、データセンター企業であるメラノックスを69億ドル(約1兆37億円)で買収したことを参考にしたと見られる。
四半期業績の発表前に買うべき
専門家たちはAI半導体市場の競争激化が予告されているが、エヌビディアの楽観的な見通しを維持した。
メルリウスリサーチのアナリスト、ベン・レイチェス氏は、19日にエヌビディアの買い推奨意見と160ドル(約2万3300円)の目標株価を再確認した。
同氏はエヌビディアが今後3年間で2700億ドル(約39兆2800億円)を超える自由現金フロー(FCF)を創出する潜在能力を持っていると述べ、この程度のキャッシュフローであれば株主に莫大な現金を還元できると強調した。
ゴールドマン・サックスもエヌビディア買いを推奨した。
アナリストのハリ・トシ氏は、18日の分析ノートで買い推奨と共に135ドル(約1万9600円)の目標株価を維持した。
同氏は7月に締めくくったエヌビディア第2会計四半期の売上高と1株当たり利益(EPS)は再び市場の予想を圧倒したであろうと期待した。
彼はまた、次世代半導体ブラックウェルの出荷遅延も来年のエヌビディアの業績にはほとんど影響を与えないと推測し、同社売上は2026年まで二桁成長を続けると楽観した。
ジャクソンホールよりエヌビディアの業績
一方、バンク・オブ・アメリカ(BofA)の市場戦略家グォン・オソン氏は18日の分析ノートで、23日にジェローム・パウエル米連邦準備制度議長のジャクソンホール演説よりも、むしろ28日のエヌビディア四半期業績発表が市場の流れを左右するより大きな要因になると強調した。
彼は、パウエル議長が市場の予想を圧倒するほどの強力なハト派のシグナルを送らない限り、市場の利下げの見通しには変わりがないと判断した。一方、エヌビディアの業績発表は投資家がより大きな関心を持つ成長の核心要因として、再びサプライズ業績発表がAIテーマに活力を与えるくれるだろうと期待している。