22日(現地時間)、党大会最終日にカマラ・ハリス副大統領は民主党の大統領候補として指名受諾演説を行った。
サンフランシスコ地方検事からスタートし、カリフォルニア州司法長官を経て、政治の世界に足を踏み入れたハリス副大統領は、演説の中で「私は私たちの最も高い志で国民を束ねる大統領になる。人々を導き、耳を傾け、現実的で良識のある大統領になる。そして常にアメリカ国民のために戦う。それが裁判所からホワイトハウスまでの私のライフワークだ」と意気込みを語った。
ハリス副大統領は、イリノイ州シカゴのユナイテッドセンターで開催された民主党全国大会最終日に指名受諾演説を行い、「ここ数年、私に起きた出来事は予想外のことばかりだったが、私はそれを恐れることはなかった」とし、「様々な政治的イデオロギーを持つ人がいることは理解している。それでも、知ってもらいたいのは、私はすべてのアメリカ国民のための大統領になることを約束するということだ。党派や自身よりも国を優先し、法の支配から自由で公正な選挙、平和的な権力移譲に至るまで、神聖なアメリカの基本原則を守ることを信じてほしい」と話した。
さらに、自身の出自と関連し、「党、人種、ジェンダー、あなたの祖母が話す言語に関係なく、全ての米国人の大統領になると約束する」と表明した。
彼女は「最悪の過去に戻るのか、未来へと向かうのか、私たちは分岐点に立っている」とし、「これは党派の問題ではなく、アメリカ人としての問題だ」と語った。
そして、「今回の選挙は私たちの人生において最も重要であるだけでなく、私たちの国の歴史において最も重要な出来事のひとつだ。ドナルド・トランプ氏がホワイトハウスに戻った場合、結果は極めて深刻だろう。彼が大統領だった時の混乱や災難だけでなく、彼が前回の選挙で敗れたあとに起きたことの重大さを考えてほしい」と、真っ向からトランプ前大統領を批判した。
さらに「最高裁判所がトランプ氏の刑事責任を免責すると判断した今、(大統領になった場合に)彼が持つことになる強大な権力を考えてほしい。制御装置のなくなった彼は、大統領という権力を国民生活を向上させるためではなく、安全保障を強化するためでもなく、自身のためだけに使うことだろう」とし、「我々は後戻りしない」と繰り返し強調した。
国際協調を重視してきたジョー・バイデン大統領の方針も引き継がれる予定だ。
トランプ前大統領が北大西洋条約機構(NATO)からの脱退を示唆しているのとは反対に、ロシアから侵攻を受けるウクライナやNATOの同盟国を強く支持するとした。
北朝鮮問題についても触れ、「私は金正恩のような独裁者の顔色をうかがうことはしない」と語り、共和党の大統領候補であるトランプ前大統領との方向性違いを明確にした。
ハリス副大統領の指名受諾演説をクライマックスに民主党全国大会は幕を閉じ、米大統領選は本格的な激戦に突入する。ハリス副大統領とトランプ前大統領は来月10日、3大テレビネットワークの1つ「ABC」が主催する討論会で初の直接対決を行う。