2000年に韓国芸能界で初めて同性愛者であることをカミングアウトした人気タレントのホン・ソクチョンが世界的なエムポックス(サル痘)の流行に対し、注意を呼びかけた。
24日、ホン・ソクチョンは自身のSNSに「みなさん、本当に気をつけて。ウイルスはすぐに拡散する。アフリカで始まって、ヨーロッパ、東南アジア、アメリカ、すぐにやってくる」というテキストとともに、ニュース画面をキャプチャした4枚の写真を投稿した。
2024年に入り、韓国内ではエムポックス患者が11名発生
キャプチャした写真には「WHOがエムポックスについて緊急事態を再宣言」、「エムポックス患者の増加懸念」、「流行中の重症型エムポックスは症状が出にくく静かに感染広がる」、「国内で発生した患者はみな20代から40代の男性」などの内容が並んだ。
ホン・ソクチョンは「それぞれが気をつけて必ず安全なセックスをしてほしい。いつもうんざりするほど言っているじゃないか。海外旅行に行っても、必ず気をつけること」とし、「夏の休暇シーズンが終わったら、韓国でも一気に患者が増えるかもしれない」と懸念を示した。
そして、「ここからが始まり。予防の上にまた予防。ノー麻薬、イエスコンドーム。私が立ち上がらなければ」と注意喚起した。
エムポックスはもともと「サル痘」と呼ばれ、1970年にコンゴ民主共和国(当時のザイール)で発見された。
アフリカ中央部や西部の熱帯雨林などでは時折流行していたが、2003年以降にペットを媒介するなどして、アフリカ以外での地域でも感染が報告されるようになった。
エムポックスの症状としては水疱性発疹が見られることが多く、インフルエンザのような症状や皮膚病変、筋肉痛なども引き起こす。
韓国では2022年6月に初めて感染認定した患者が報告され、現在、破傷風やB型肝炎などとともに法律により3級感染症として管理されている。
韓国の疾病管理庁が世界保健機関(WHO)の統計などを分析した結果、現在までに認定されたエムポックス感染者の内、性的指向が確認できた3万人の84.1%が男性の同性愛者であることがわかった。
26日、疾病管理庁は韓国内でのエムポックスの報告、診断、疫学調査ならびに患者管理体制の点検を通じ、韓国に直近の流行型である重症型の「クレード1b」が流入すること、そして、感染を防ぐための対策を強化すると発表した。
主な感染経路は性行為、個人の意識次第で十分に予防可能
疾病管理庁によると、韓国内のエムポックス患者は2022年に4名、2023年に151名、2024年には11名(8月23日基準)が確認されている。今年感染認定された11名の患者は、主に首都圏に住む20から40代の男性だ。
感染経路は主に濃厚な皮膚接触または性行為によるもので、インフルエンザやマイコプラズマ肺炎などの呼吸器感染症とは異なり、日常生活でエムポックスに感染する可能性は低い。
そのため、疾病管理庁は一般市民だけでなく、特に海外旅行者に対し、エムポックス予防法と衛生遵守を呼びかけている。
エムポックスの潜伏期間は通常6〜14日である。
しかし、感染後、3週間ほど経過した後に症状が現れることもあり、一般的な潜伏期間に該当しないケースもあるという。
症状がある感染者からの感染が大半であるが、無症状感染者からの感染可能性も現時点では否定できないという。
ほとんどは2〜4週間で完治するが、肺炎などの合併症や脳や目にウイルスが移った場合、重症の危険性もある。
感染後約3〜4週間が経過すると、水疱性発疹にかさぶたができて剥がれるが、回復しても傷跡が残ることが多いという。
一方、症状を改善する薬以外には、特別な治療法はないと伝えられている。