エヌビディアの最高経営責任者(CEO)であるジェンスン・フアン氏は、今年の第4四半期から最新型の人工知能(AI)チップ「ブラックウェル」の本格的な生産が行われることを明らかにした。また、ブラックウェルによってエヌビディアの売上が、数十億ドル(数千億円)以上増加するという楽観的な見通しを示した。
彼は同日、エヌビディアの今年の5~7月(会計年度第2四半期)実績発表後に行われた、カンファレンスコールとメディアインタビューを通じて、「ブラックウェルの性能は現存するホッパーよりもはるかに向上している」と述べた。
ブラックウェルは、昨年3月に開催されたエヌビディアの年次開発者会議(GTC)2024で公開された。「B200」とも呼ばれ、現在顧客に納品されている「H100」ホッパーチップの性能を大幅に上回る。しかし、最近ブラックウェルの生産遅延問題が発生していた。
これに関し、フアンCEOは「ブラックウェルの設計上に誤りがあったわけではない」と述べた。続けて「デザイン面で小さな誤りが発生したが、それは解決済みだ」と説明した。また、ブラックウェルのサンプルを今日から顧客に送付し、供給が始まっていると付け加えた。今年の第4四半期からブラックウェルの生産が本格化し、来年には供給が大幅に増加することを強調した。
フアンCEOは「ブラックウェルによって次の会計年度第1四半期(来年3月~5月)からエヌビディアの売上が大幅に増加するだろう」と自信を持って述べた。彼はブラックウェルによって増加する売上規模を数十億ドル(数千億円)以上と語った。
彼は「ブラックウェルに対する顧客の期待は非常に高く、ホッパーの需要も依然として強い」と強調した。供給のタイミングがやや遅れるブラックウェルの空白はホッパーで埋めることができると説明した。
これに関連して、フアンCEOは「現在エヌビディアの主力AIチップであるホッパーの生産量が、今年の第3四半期と来年の第1四半期までの2四半期の間に増加する」と予想した。ブラックウェルの顧客への納品が予想より遅れたとしても、ホッパーを通じてエヌビディアの売上を維持できるということだ。
フアンCEOはエヌビディアがAIチップ以外に、他のAI分野でも売上を増やすことができると自信を見せた。各国がソブリン(主権)AI(国が自国のインフラ、データ、労働力、ビジネスネットワークを用いて人工知能を生み出すことができる能力)に関心を持ち始めており、エヌビディアがこの分野でも売上を伸ばすことができると説明した。
彼は「すべての国がAIデータを国家資源として考えている」と述べた。今年3月のGTC 2024で、フアンCEOは「エヌビディアはAIチップだけでなく、AIデータセンターなどAI総合企業を目指している」と明らかにした。
一方、同日エヌビディアは、会計年度上第2四半期の売上が前年同期比122%増加した300億400万ドル(約4兆3370億円)に達したことを軸にした業績発表を行った。純利益も前年同期比で2倍以上増加した165億ドル(約2兆3850億円)を記録した。エヌビディアは第3四半期(8月~11月)の売上を325億ドル(約4兆6978億円)と予想しているが、成長率が多少鈍化する様子に時間外取引での株価が一時6.89%まで急落した。
引用=AP聯合ニュース