日本の遊園地で「お化け屋敷」に訪れた男性が、お化け役を演じていた従業員の顎を蹴り上げ、怪我を負わせた。この男性は空手の有段者とされ、被害者と1000万円で合意した後、遊園地側に共同負担の訴訟を提起したが、裁判所は遊園地には責任がないと判断した。
先月16日、産経新聞は、お化け屋敷で酔っ払って、お化け役の従業員の顔を蹴り上げ、顎を骨折させた空手の有段者Aが、遊園地に合意金の7割を負担するよう求めた訴訟の控訴審の結果について報じた。
Aは約10年前、関西地域の遊園地を訪れ、昼食時に酒を飲み、知人と共にお化け屋敷に入った。しかし、Aはお化け役を演じていた従業員B氏が登場するとすぐに右足で顎を蹴り上げ、B氏は顎を骨折する怪我を負った。
B氏はAに対して損害賠償請求訴訟を提起し、Aは1000万円を支払う条件で合意した。巨額の合意金を支払う状況に置かれたAは、その後遊園地を相手に合意金支払いの分担を求める訴訟を提起した。
Aはこの訴訟で、お化け屋敷が「恐怖」をコンセプトにしている以上、自分のような格闘技の有段者を含む客が、瞬間的にお化け役の従業員を攻撃する事態を予測すべきだったと主張し、これを未然に防ぐ義務を怠ったと述べた。
また、遊園地側が利用客とお化け役を演じる従業員の間に仕切りを設けておらず、従業員に攻撃を避ける訓練を施していないと指摘した。さらに、利用客に人が仮装をしている事実を知らせず、酔った状態の利用客が入場することを拒否しなかったため、合意金の7割を遊園地側が負担すべきだと主張した。
しかし、裁判所はAの意見を受け入れなかった。先月1日、第一審の裁判では、遊園地側が利用客の加害行為まで予測する義務はないと判決した。
Aの控訴により開かれた先月7日の第二審でも、Aの行動は恐怖心からくる反射的な行動の範疇を超えていると判断され、行動を正当化する動機や合理性を見出すのは難しいとされたため、Aの主張は退けられた。Aは第二審の結果にも不服を申し立てたと伝えられている。