中国の人工知能（AI）開発者たちが、エヌビディアの最先端AI半導体を中国に持ち込まなくても活用できる回避策を見つけたと、ウォール・ストリート・ジャーナル（WSJ）が26日（現地時間）に報じた。
海外にあるエヌビディア半導体で構成されたサーバーを、中国にいながら対価を支払い使用する方法である。
報道によると、中国のAI開発者たちは、海外のブローカーを通じてこのような方法でエヌビディアのAI半導体にアクセスしており、時には自分たちを暗号通貨業界の関係者として装っているという。
アメリカがエヌビディアの最先端AI用半導体の中国輸出を阻止した後、回避策を探し出したのである。
中国の開発者たちは闇市場を通じて、エヌビディアの最先端半導体を中国に密かに持ち込むことはできても、AI開発のために大量の半導体を入手することは不可能である。
WSJによると、複数のブローカーが現在中国のAI企業を支援しているとのことだ。こうした海外ブローカーの一人は、ビットコイン採掘業に従事していたデリック・オ（Aw）である。
彼はドバイとアメリカの投資家を説得し、エヌビディアH100半導体で構成されたAIサーバーの購入資金を提供させた。彼の会社は昨年6月、オーストラリア・ブリスベンのデータセンターに、H100半導体で製造された300台以上のサーバーを送付し、3週間後これらのサーバーは中国・北京にある企業でAIアルゴリズムプロセスを開始した。
彼は「需要があり、利益もあれば、誰かが供給に乗り出すのは自然なことだ」と主張した。
遠く離れた場所のコンピュータ演算能力をレンタルすることは新しいことではなく、多くのグローバル企業がグーグルクラウドやマイクロソフト（MS）アジュール、アマゾンウェブサービス（AWS）など、アメリカのクラウド業者のサービスを活用して世界中のデータを利用しているが、中国の企業はこれまでこのサービスを利用することが困難であった。
銀行がそうであるように、クラウドサービスも実名制で運用されるため、中国の企業は最先端のコンピュータ演算にアクセスすることが難しかった。
しかしオーストラリアで、エヌビディア半導体で構成されたサーバーを通じて中国の企業を相手に商売をすることは、違法ではない。
アメリカの制裁に精通した法曹界の関係者は、この場合いかなる制裁も違反していないと強調した。最先端半導体、半導体装置の中国への輸出は禁じられているが、中国企業やその外国の提携企業が、エヌビディア半導体が搭載されたクラウド業者のサーバーにアクセスすること自体は、違法ではないためである。
彼をはじめ、中国企業にAIサーバーサービスを提供する企業は、規制の可能性を避けるために決済も匿名で行っているとWSJは伝えた。