アップルがオープンAIへの資金投資を検討していることが分かった。アップルの投資スタイルから、オープンAIへの投資検討は異例であるとの評価が出ている。現在、オープンAIはスライブ・キャピタル主導のもと投資を募っており、すでにマイクロソフト(MS)が投資の意向を示している。
29日(現地時間)ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の報道によると、MSに続いてアップルとエヌビディアがオープンAIへの投資について議論しているという。具体的な投資額は公開されていないが、確かなことは去年1月MSがオープンAIに100億ドル(約1兆4499億円)を投資して以来、最も高額の投資資金を確保することになることだ。
特にアップルがオープンAIに投資する意向を示したことは異例である。これまでアップルは自社機器の部品供給先を確保するために、多くの製造業者に投資を行っており、ソフトウェアスタートアップに対する投資は事実上皆無であった。
アップルがオープンAIに投資を決定したのは、AI競争でこれ以上遅れを取らず、主導権を確保するためであると解釈されている。オープンAIはグーグルの生成型AI「Gemini」と激しい競争を繰り広げているが、依然として関連市場をリードしているとの評価を受けている。
加えて、アップルが昨年6月の世界開発者会議(WWDC)2024で、自社のAIシステム「アップル・インテリジェンス」を発表し、オープンAIのチャットGPTを搭載すると明言したことも、アップルがオープンAIに投資を決定したもう一つの理由である。
当時、アップルはiPhoneなどのアップルデバイスを利用する人々の多様な要求を処理するために、音声アシスタント「シリ(Siri)」にオープンAIのチャットGPTを連携させると述べた。
MSとエヌビディアはオープンAIと協力関係を維持しているため、投資を検討しているものと考えられる。
オープンAIはエヌビディアのAIチップを最も多く使用している企業の一つであり、エヌビディアのAIチップを活用して最先端のAIシステムを訓練・構築している。また、エヌビディアは過去2年間にわたりAI関連企業への投資を行ってきた。同社はインフレクションAI社やデータブリックス社など、市場で注目されているAI企業やAI新薬スタートアップに資金を注ぎ込んできた。
MSの場合、オープンAIの戦略的投資者であるため、追加投資を行っても全く不思議ではない。2019年からMSはオープンAIに総額130億ドル(約1兆8865億円)を投資しており、現在オープンAI株の49%を保有している。
一方、今年初めのオープンAIの企業価値は800億ドル(約11兆6093億円)であったが、今回の投資誘致を進める中で、企業価値が1000億ドル(約14兆5116億円)に急騰した。前年の290億ドル(約4兆2083億円)から244.83%急増した。オープンAIの昨年の売上は20億ドル(約2902億円)を超えたとされている。