オープンAIの共同創業者であるイリヤ・サツキーバー氏の「安全な」AIモデルに10億ドル(約1436億円)が集まった。
ベンチャーキャピタル(VC)の大物アンドリーセン・ホロウィッツ、セコイアなどが資金調達に参画した。
設立からわずか3か月で、まだ何のAIモデルも発表できていないAIスタートアップ企業に、はやくも約50億ドル(約7180億円)の資金が集まったことになる。
サツキーバー氏は、オープンAIのサム・アルトマンCEOが金に目が眩みAIの安全性を軽視したとし、彼をCEOから引き下ろすクーデターを主導したが失敗し、別の会社を立ち上げた。
昨年11月、アルトマン氏を一度CEOから解雇したものの、従業員やマイクロソフト(MS)の反発によりクーデターが失敗し、サツキーバー氏は今年5月にオープンAIを去った。
フィナンシャル・タイムズ(FT)は4日(現地時間)情報筋を引用し、同氏のAIスタートアップ「セーフ(安全な)・スーパーインテリジェンス(SSI)」が設立から3か月で約50億ドル(約7180億円)の資金を確保したと報じた。
SSIは新たに調達した10億ドル(約1436億円)を自社のAIモデルと、現在全従業員数が10名に過ぎない同社の人材確保に投資する計画だ。
サツキーバー氏はオープンAIの共同創業者であり、最高科学者としてチャットGPTの開発を主導した人物である。
彼はAIに集中的に投資しているナット・フリードマン氏、ダニエル・グロス氏、オープンAI研究員出身のダニエル・レビ氏と共にSSIを立ち上げた。
このSSIは現在、オープンAI、Anthropic、イーロン・マスクのxAIなど、すでに地盤を固めた競合他社に対抗するための、先進的なAIモデルの構築を力を入れている。
同社は既存のAI企業に比べて依然として規模が小さい。
AI市場を開拓したオープンAIの企業価値は1000億ドル(約14兆3636億円)を超え、AnthropicとxAIは今年初めの資金調達過程で企業価値がそれぞれ200億ドル(約2兆8727億円)に迫ると評価された。
SSIのグロスCEOは、即座に商業化が可能なAIモデルを追求していないとし、発売前に数年にわたり試験を行った後、安全なスーパーインテリジェンスを構築することを目指していると述べた。
SSIは現在アメリカとイスラエルに拠点を構えており、カリフォルニア州パロアルトとテルアビブにオフィスがある。