韓国の京畿道(キョンギ道)水原市(スウォン市)で発生した火災現場で、90代の女性が孫の助けを借りて脱出したが、結局死亡してしまうという事件が起きた。事故当時の消防士の行動が物議を醸している。
引用=YouTube「JTBC News」
前日の午前6時29分頃、水原市勧善区(クォンソン区)の某商業ビル3階で火災が発生した。火は30分ほどで完全に消火されたという。
火は3階から発生したものとされており、この階に住んでいた90代の女性A氏は、30代の孫B氏の助けを借りて建物から脱出した。その後、病院へ搬送され治療を受けていたが、結局死亡が確認されたという。B氏は、体が不自由なA氏を抱えて、建物の外壁に付いている2階の高さのパネル屋根に飛び降りたと伝えられている。
しかし、当時の消防士らの措置が不適切であったと、現在問題となっている。ネットユーザーは、消防士らがA氏の状態をさらに悪化させたのではないかという疑問を提起している。
このニュースは前日「JTBCニュース」を通じて報道された。メディアによると、A氏はパネル屋根の上に落下した際、すでに衝撃により意識が薄れていたという。しかし、消防士らは消火活動にばかり没頭しており、そこから少し離れた場所に倒れた状態のA氏は放置されたままだった。
それを見かねた近隣住民が「おばあさんから先に助けてあげてください」と声を張り上げ、消防士らはA氏の救助作業に取り掛かった。
しかし、消防士らによる救助過程で、A氏は再び落下してしまった。担架にA氏を乗せる最、しっかりと体を固定しなかったことが原因だったという。A氏の体は担架から滑り落ちてしまった。
その後、A氏は病院に搬送されたが、治療を受けている間に亡くなったと伝えられた。孫のB氏は火傷を負い、現在ソウルの火傷専門病院で治療を受けているという。
このニュースに、ネットユーザーは怒りを表した。
ニュースの映像がアップロードされたYouTube「JTBC News」のコメント欄には「消防士は一体何をしてるんだ。もう一度、落下させるなんてもはや殺人ではないか」、「消防士でない私があの場にいたとしても、おばあさんの救助活動をあのようにはしないと思う」、「もし誰もこの動画を撮影していなかったとしたら、きっと火災による死亡として報道されていただろう…撮影した人がおばあさんの無念を晴らしてくれた」、「全身に衝撃を受けながらもおばあさんを守ろうと、孫が命を懸けてなんとか脱出に成功したのに、それを消防士が…」といった非難の声が寄せられた。
また、他にも「業務上過失致死傷罪は適用されないのか。一体なんであんな対応をしたのだろう。見かねた住民がおばあさんを先に救えと声を張り上げなければならないほど、現場の指揮がとれていなかったということではないのか。動画は途中で切れているが、おばあさんを担架で運ぶ際に体をしっかりと担架に固定させなかったせいで、あの高さから落下してしまったんだ…その消防士は解雇、少なくとも重い処分を受けるべきだと思う」「前回のエアマットの件もそうだが… 実際の救助現場でこうしたことが頻繁に発生するというのは、いくら大変な仕事だとはいえ、そういった理由で済ませるわけにはいかない状況だ」などの反応が見られた。