先月開催された米民主党大会以降、支持率が上昇していたカマラ・ハリス副大統領が最近苦戦している。
来る10日(現地時間)に行われる大統領候補討論会での活躍しないといけないという負担が徐々に重くなってきているのだ。
8日(現地時間)、ニューヨーク・タイムズ(NYT)がシエナ大学と共同で米有権者を対象に実施した調査によると、共和党候補であるドナルド・トランプ前大統領の支持率は48%で、47%を得たハリス副大統領よりも高かった。
今回の結果は、ジョー・バイデン大統領が民主党大統領候補職を辞退しバトンを引き継いだハリス副大統領側の熱気が冷めているとものと解釈されている。
NYTは今回の結果について、トランプ前大統領への支持は驚くほど回復力があるようだと分析した。
調査に応じた有権者の28%がハリス副大統領についてもっと知る必要があると答え、副大統領が自身のビジョンを十分に示せていないことが明らかになった。
特にハリス副大統領は伝統的な民主党支持層である女性とラテン系有権者からの支持が不足していることがわかった。
ただし、民主党を支持する有権者の選挙に対する熱意は91%で、85%の共和党支持者よりも高かった。
今回の調査は、3日から6日までの間登録有権者1695名を対象に実施され、誤差範囲は±2.8ポイントであった。
フィナンシャル・タイムズ(FT)は10日、接戦州であるペンシルベニア州フィラデルフィアで行われる討論会が結果に応じて今回の大統領選挙の転換点となる可能性があると報じた。
FTは米国の世論調査結果を分析したところ、ハリス副大統領の支持率優位が2.9%ポイント減少したことは、先月22日に終了した民主党大会の効果がなかったことを示しており、NYTとシエナ大学の共同調査でトランプ前大統領が1%ポイント差で優位であったことは事実上同率状態であると分析した。
これまで事前に準備した演説文に依存していたハリス副大統領が瞬時に反応することが必要な今回の候補討論会で活躍すれば、支持率が上昇する可能性がある。
しかし今回の討論会ではトランプ前大統領よりもハリス副大統領により注目を集まると見られ、これが彼女にとって負担となる可能性もある。
また、討論会でトランプ前大統領に対抗することは簡単ではなく、彼を過小評価することは禁物である。
トランプ前大統領は大統領候補としてすでに7回も討論会に参加しているのに対し、ハリス副大統領は初めてである。
政治ニュースレター「クック・ポリティカル・リポート」の政治アナリスト、エイミー・ウォルター氏は「トランプに対する有権者の見方が変わる可能性は低い。ハリスに対する見方がどう変わるかが問題だ」と述べた。