超強力な台風11号（ヤギ）が中国南部地域を襲い、甚大な被害をもたらしている。8日の現地メディアの報道によると、台風11号は7日午後4時20分頃、中国南部の海南省に上陸し、その後力を増して、同日午後10時20分頃に広東省に上陸した。
中心部の風速が時速240kmに達する強風を伴う台風11号は、海南島とその周辺地域、広東省に深刻な災害を引き起こした。台風が南部沿岸地方の主要都市を襲い、人命被害や住宅の浸水、大規模な停電が発生した。この影響で、都市機能が停止した。
今回の台風によって少なくとも5人が死亡し、現在も数十人が行方不明だという。負傷者は100人を超え、その多くは強風による飛散物や建物の崩壊によって負傷したとされている。
海南島は台風の中心部を直撃し、最も大きな被害を受けた。数千軒の住宅が破壊され、道路や橋が寸断され、交通網が麻痺している。都市インフラの崩壊により公共サービスは一時的に中断され、電力網が破壊にされたことで数百万世帯が停電の被害を受けている。
これを受けて、中国政府は緊急復旧作業に着手し、災害救助チームを被害地域に派遣した。
今回の台風は暴風雨に加えて、大規模な豪雨を伴い、都市と農村地域の両方で浸水被害が相次いでいる。海南島を含む低地地域では、数千軒の住宅や商業ビル数千軒が水没し、農地も広範囲にわたって被害を受けている。
特に海南で栽培されていた作物は、台風の影響で収穫直前に大きな被害を受けた。
今回の台風は非常に強力で、現地メディアによると、駐車されていたトラックが強風に押し流されて飛ぶほど風力があったという。一部建物の窓ガラスが粉々になるシーンも目撃され、強風によってマンションの窓が外れたり、住民がドア枠をつかんで耐える様子を捉えた映像も公開された。
また、強風により木が根こそぎ引き抜かれ、道路の至る所が廃墟と化した。
中国当局は被害復旧と人命救助に全力を尽くしており、気象局は台風警報を最高レベルの赤色警報に引き上げ、軍の部隊と民間の救助隊を動員して被害地域を支援している。さらに、航空機やヘリコプターを利用して空中から被害状況をリアルタイムで監視している。
中国政府は台風11号が2014年に中国を襲った台風ラマスーン以来、最も強力な台風だと見ており、ラマスーン当時の経済的損失は約7500億円だった。中国政府は、今回も同程度の被害が出る可能性があると見ている。