「バンコク、7年以内に海に沈む可能性がある」と専門家が警告
海面上昇による非常事態が迫っている。専門家が、タイの首都バンコクが7年以内に水没する可能性があると警告した。
先月28日（現地時間）、オンラインメディア「Goody25」によると、タイ商工会議所大学経済学部の学長であり、元国家研究委員会の委員であるアヌソン・タムマチャイ博士は、「タイ当局が『海面上昇』や『都市沈下』に対応できなければ、早ければ7年以内にバンコクの80%が水沈する可能性がある」と警告した。
彼は「バンコクの80%が水に沈む場合、タイ経済に深刻な損害を与える可能性がある。経済的損失は18兆6000億バーツ（約79兆円）に達し、1045万人以上の住民に影響を与えると予想される」と述べた。また、「都市沈下や海面上昇の問題について誰も研究せず、これに対する投資が行われなければ、深刻な被害が発生するだろう」と警告した。
アヌソン博士は、これに対するいくつかの解決策を提案した。
彼は「政府はダムや沿岸道路を建設など、事前に計画を立てるべきだ」とし、「沿岸地域には水を吸収するマングローブを植え、緩衝地帯を作ることで、観光地としても活用できる」とアドバイスした。
さらに「資金を分野ごとに分散し、バンコクおよび周辺地域の保護のための投資を促進することで、水没した場合でも経済施設やその他のインフラが損なわれないようにするべきだ」と強調した。
「首都移転の方法を検討すべきだ」
以前、タイ気候変動・環境省の副大臣は、5月に海面上昇に対応するため、首都の移転を検討する必要性を示唆した。
当時、彼は「低地にあるバンコクが今世紀末までに海に沈む可能性がある」とし、「現在バンコクは雨季になるとほとんど洪水に見舞われている」と語った。
タイ中南部に位置するバンコクはタイの首都であり、経済文化の中心地として機能しており、人口は1000万人を超える。
世界銀行の予測によると、バンコクの40%の地域が2030年までに水に沈むとされており、当局が対策を講じなければ将来的に深刻な洪水問題が発生するという。
現在、バンコクは毎年平均して1〜2cmずつ沈下しており、海面は毎年約4cmずつ上昇している。
バンコク以外にも、イタリアのヴェネツィアやアメリカのニューオーリンズも同様の問題に直面している。
一方、インドネシアの首都ジャカルタも都市沈下と汚染問題に直面しており、首都をヌサンタラに移転する計画が立てられている。