米株式市場は10日(現地時間)騰落を繰り返し不安定な相場で取引を終えた。
テクノロジー株の比率が高まったスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)500とテクノロジー株中心のナスダックは、2日連続の上昇を記録した。
一方、循環買いの中心にある大型優良株30銘柄で構成されるダウ・ジョーンズ工業株平均と中小型株2000銘柄で構成されるラッセル2000は下落した。
M7大型テクノロジー株では、アップルとアルファベットのみが下落した。
しかし、テスラは4.6%急騰し、マイクロソフト(MS)とアマゾンはそれぞれ2%台の上昇率を記録した。
一方、国際原油価格は同日急落し、バレル当たり70ドル(約9881円)のラインが崩れた。
テクノロジー株の上昇
テクノロジー株は同日強気であった。
大型優良株とテクノロジー株が均等に分散していたが、昨年以降のテクノロジー株の急騰により同株の比率が大幅に高まったS&P500は、ナスダックと共に2日連続で上昇した。
S&P500は前日比24.47ポイント(0.45%)上昇し、5495.52で取引を終えた。
ナスダックは141.28ポイント(0.84%)上昇し、1万7025.88に達した。
1万7000のラインが崩れてから3日ぶりに回復したのだ。
一方、ダウは92.63ポイント(0.23%)下落し4万736.96、ラッセル2000は0.34ポイント(0.02%)下落し2097.44で取引を終えた。
テスラ、4.6%の急騰
テスラは同日テクノロジー株の上昇を牽引した。
ドイツ銀行がテスラを再度分析対象に含めたことで、「最高の銘柄」として選んだことが株価を大きく押し上げた。
ドイツ銀行はテスラが単なる電気自動車メーカーではなく、エネルギー、ロボット、自動運転などの新技術プラットフォームの役割を果たす「比較不可能」な企業であると絶賛した。
買い推奨と共に295ドル(約4万1600円)を目標株価として提示した。
テスラはそのおかげで9.90ドル(約1400円、4.58%)急騰し、226.17ドル(約3万1900円)に達した。
エヌビディアは上下動を繰り返した末に2日連続で上昇し、1.63ドル(約230円、1.53%)上昇して108.10ドル(約1万5271円)で取引を終えた。
MSは8.49ドル(約1200円、2.09%)上昇し414.20ドル(約5万8500円)、アマゾンは4.15ドル(約586円、2.37%)急騰し179.55ドル(約2万5400円)で取引を終えた。
メタプラットフォームズは前日と同じ504.79ドル(約7万1300円)で取引を終えた。
一方、アップルはアイルランドに対し130億ユーロ(約2兆284億円)の税金と利息を支払うよう求める欧州司法裁判所(ECJ)の判決と、前日公開されたiPhone16に対する失望感が重なり、下落で取引を終えた。
アップルは後半に上昇に転じるかと思われたが、売り圧力に耐えられず、結局0.80ドル(約113円、0.36%)下落し220.11ドル(約3万1000円)で取引を終えた。
アルファベットは下落を続け、0.05ドル(約7円、0.03%)下落し148.66ドル(約2万円)で約横ばいに終わった。
国際原油価格、70ドル(約9880円)崩壊
国際原油の基準であるブレント原油は需要減少の懸念から約3年ぶりに初めてバレル当たり70ドル(約9881円)のラインが崩れた。
先月、世界の石油需要予測を下方修正した石油輸出国機構(OPEC)が同日再び需要予測を引き下げたことで、需要減少の懸念が深まった。
今後12月にOPECプラス(+)が予定通り増産に入れば、石油市場が供給過剰状態に入るとの予測も出ており、市場の不安は大きかった。
ブレントは前日比2.65ドル(約370円、3.69%)急落し、バレル当たり69.20ドル(約9780円)に下がった。2021年12月以来初の70ドル崩壊である。
アメリカの原油基準である西テキサス産原油(WTI)は2.96ドル(約420円、4.31%)急落し、バレル当たり65.75ドル(約9290円)で取引を終えた。