アメリカの刑務所に収監されている夫の面会に訪れた際、全裸で検査をされた上、性的暴行まで受けた女性が数億円の賠償を訴え、裁判所が判決を下した。
10日(現地時間)にアメリカのUSAトゥデイなどによると、カリフォルニア州の裁判所は、矯正当局と刑務官、病院などが、被害を受けたクリスティーナ・カルデナスに560万ドル(約8億円)の和解金を支払うよう命じた。
裁判所は矯正当局が360万ドル(約5億円)を支払い、残りの金額は刑務官2名と医師、病院などが支払うよう命じた。
彼女は2019年9月6日に、カリフォルニア州テハチャピの刑務所に収容されている夫の面会に訪れた際、全裸での検査と性的暴行を受け、矯正当局などに対して損害賠償訴訟を提起した。
彼女の弁護士は、彼女が面会当日に、刑務所の関係者に全裸で検査をされ、さらに薬物・妊娠検査、X線・CT撮影をさせられたと伝えた。さらに、病院では男性医師から性的暴行を受けたと主張した。
刑務所側は、令状を根拠に捜索を行ったと主張した。令状には彼女の身体から、密輸の可能性がある物品がX線で発見された場合にのみ、服を脱がせて検査することができると記載されていたが、密輸品は発見されなかった。
しかし、彼女は夫との面会を拒否された。彼女は病院に移動する間に手錠をかけられ、検査の過程で水を飲んだり排泄したりすることも許されなかったと訴えた。
彼女は裁判所の判決が出た後、声明で「2019年のセクハラによる苦痛を、完全に癒せる賠償などはない」と指摘した。
そして「この訴訟を提起したのは、他の人々が、私が経験したような深刻な犯罪の被害を受けないようにするためだ」と述べ「刑務所に訪れる人々は犯罪者ではなく、人間として考えるべきだ」と声を高めた。