米共和党の大統領候補であるドナルド・トランプ前大統領と民主党のカマラ・ハリス副大統領による初のテレビ討論会で、トランプ前大統領が平静を失ったとの報道があった。
トランプ前大統領とハリス副大統領は10日午後9時(東部時間)から90分間、ABCニュースが主催した討論会に臨んだ。
CNNによると、トランプ前大統領の側近たちは、討論会でハリス副大統領の鋭い攻撃に圧迫を感じ、集中力を失ったと評価している。また、ハリス副大統領がトランプ前大統領の過去の政策や法的問題を集中攻撃する過程で、トランプ前大統領が何度も感情的に反応したと補足した。
ハリス副大統領は経済問題に対するトランプ前大統領の回答に反論をかぶせ、トランプ前大統領が一般の人々の生活を理解していないと主張した。この発言にトランプ前大統領は当惑した様子を見せ、ハリス副大統領の発言を遮ろうとした。
トランプ前大統領の補佐官と顧問たちは、彼に対し、ハリス副大統領の発言に対して過剰な反論をするのではなく、表情で反応するようアドバイスしていたとされている。しかし、トランプ前大統領はハリス副大統領の「エサ」に食いついた。
実際、ハリス副大統領が「皆さんは疲れて退屈するので、彼(トランプ)の集会から人々が早く去り始めていることに気が付くでしょう」と発言したところ、トランプ前大統領は「人々は私の集会を去らず、ハリスの集会には行かない」と荒々しく反論した。
ハリス副大統領の補佐官は、その場面について「彼(トランプ前大統領)はあらゆる面でエサに食いついている」と表現した。ある民主党議員はCNNに「なんてこった。ハリスがトランプを煩わせている。トランプはエサに食いついた」と語った。
主要メディアは今回の討論会でハリス副大統領が勝利したと評価している。
CNNは「トランプ選挙対策本部と共和党はついに司会者を非難し始めた。彼らは司会者がハリス候補に対してより穏やかな質問をしたと主張している」とし、「これがトランプ前大統領が討論会で敗北するだろうとみる兆候だ」と評価した。
CNNはハリス副大統領がトランプ前大統領をゲームから追い出す明確な計画を持って舞台に上がり、どの側面から見ても計画は劇的に成功したと伝えた。
CNNによると、トランプ前大統領は討論で司会者が提示した議題に集中するのではなく、集会の娯楽的な価値について長々と説明し、バイデン政権が自分を合法的に標的にしていると主張した。また、すべての証拠に反して移民者が米国人のペットを食べているという陰謀論まで展開した。
デイリービーストは、討論会後の世論がハリス副大統領に有利に傾いていると分析し、彼女の論理的で冷静な態度がトランプ前大統領の攻撃的な姿勢と対照を成し、好印象を残したと伝えた。一方、トランプ前大統領は何度も感情的に反応し、自身に不利な立場を取ったと報じた。
CNNがABC放送主催のテレビ討論会視聴者を対象に実施した世論調査では、有権者の63%がハリス副大統領が優勢だったと評価し、37%がトランプ前大統領の方が優勢だったと評価した。