アメリカで絶大な影響力を持つ歌手、テイラー・スウィフトが、11月に行われるアメリカ大統領選で民主党候補であるカマラ・ハリス副大統領を支持することを公表したが、テスラのCEOイーロン・マスクの彼女に対する発言が物議を醸している。
11日(現地時間)エンターテイメント情報関連メディア「Variety」によると、同日、イーロン・マスクはテイラー・スウィフトがハリス副大統領支持を表明した直後に、自身の「X(旧Twitter)」に「わかった、テイラー。君の勝ちだ。私は君に子供を与え、人生をかけてでも君の猫を守る」と投稿した。
共和党の副大統領候補であるJ.D.ヴァンス上院議員は、過去にハリス副大統領に対して「子どもがいない猫好きの女性はみじめだ。そんな女性たちが国もみじめにしている」と失言をしていた。
この発言を受け、テイラーはハリス副大統領の支持を表明する文書に「テイラー・スウィフト、子供のいない猫好き女性」と皮肉を込めて署名している。マスクが「猫を守る」と言ったのも、そんなテイラーを意識したものである。
アメリカでは「猫好き女性」、いわゆる「キャットレディ」は本来の意味とは異なり、猫と一緒に生活する中年の未婚女性を侮辱する表現でつかわれている。
マスクのツイート直後、アメリカではマスクの発言に対し、セクハラだと一斉に批判が集まった。
ネットユーザーは「今まで見た投稿の中で1番ぞっとする」、「地球上で最もお金持ちの男がリスクや状況を顧みずに、他人を公然とセクハラするなんて」といった反応を見せた。
パートナーや元パートナーとの間に少なくとも12人の子どもがいるマスクだが、その内、トランスジェンダーの娘、ヴィヴィアン・ジェナ・ウィルソンは「Threads」に「不快で侮辱的で、とんでもない性差別的な発言だ。インセル(*)の戯言であり、ひどすぎてこれ以上何も話すことはない」と厳しく批判する内容を投稿した。
ウィルソンは2022年にマスクとは金輪際関わりたくないと不和を理由に改名を申請し、母親の姓に変更した。
*インターネット上で頻繁に使われる非自発的な独身男性、女性蔑視主義者などの男性グループを指す言葉、Involuntary Celibateの略語