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2024年12月23日月曜日
ホームニュースあの高級車ブランドでリストラや給料カットが続く中、新車を社割で購入しないかと勧誘し非難殺到

あの高級車ブランドでリストラや給料カットが続く中、新車を社割で購入しないかと勧誘し非難殺到

引用=聯合ニュース

 イタリアの自動車工場で従業員を対象に高級車ブランド「マセラティ」の新車の割引販売を行うことが明らかになり、論争が起きている。

この工場はマセラティを生産している工場ではあるが、従業員に支払われる給料がマセラティを購入するには到底足りない上に、最近解雇された従業員にまで案内メールが送信されたためである。

10日(現地時間)イタリアの日刊紙コリエーレ・デラ・セラによると、多国籍自動車メーカーのステランティスはイタリア北部トリノのミラフィオーリ工場で働く3000人の従業員に「マセラティ割引イベント」を案内するメールを送信したという。

そのメールには「従業員の皆さん、9月から皆さんとご家族、友人のためにマセラティの新車を特別割引で購入できる機会を提供します」という内容が含まれていた。

これに対し従業員たちは呆れた様子である。従業員に支払われる給料がマセラティを購入するには到底足りない上に、最近の勤務時間短縮により給料が大幅にカットされたためである。

この工場が生産するマセラティと電気自動車フィアット500eの生産量が減少しているためである。ミラフィオーリ工場はで今年上半期に生産したマセラティはたった1850台だった。注文量が少なくマセラティの生産ラインは週に1日しか稼働していない。

労働組合の代表を務めるジャコモ・チュリアニエロ氏は「笑うべきか泣くべきか分からない」と述べ、「短縮勤務により月に1180ユーロ(約18万7590円)を稼いでいるが、この車は8万ユーロ(約1271万円)から20万ユーロ(約3180万円)にしか達していない」と批判した。

さらに、この工場は人員削減も進めている状況で、今回問題となったイベントの案内メールが一時解雇された従業員にも送信されたことが確認された。

イタリアの政治界も敏感に反応した。第2野党五つ星運動(M5S)の副代表であり、元トリノ市長のキアラ・アペンディーノ氏はフェイスブックに「数ヶ月間、解雇手当と月1100ユーロほどの賃金で家族を養おうと奮闘しているステランティスの従業員が、高級車を購入するよう勧められたことを想像してみてほしい」と指摘した。

中道野党のアッチオーネの代表であるカルロ・カレンダ元産業大臣は「ステランティスが解雇された従業員にマセラティを特別価格で提供すると提案したことは侮辱的な行為である」と批判した。

緑の左派連合(AVS)のマルコ・グリマルディ下院議員は「冗談であっても非常に情けないレベルである」とし、「私たちはこのような傲慢さを許すことはできない」と強調した。

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