中国で家主が末期癌で闘病中のテナントを追い出そうとして批判を受けている。
20日、中国メディア「成都商報レッドスターニュース」によると、北京のアパートを借りていた A氏が、家主から1週間以内に退去するよう突然通知を受けたという。
A氏は「妻が末期癌で治療を受けなければならないため、病院近くのアパートを借りた」と述べ、「11月中旬まで月額5500元(約11万円)で賃貸契約を結んでいた」と伝えた。
しかし、先月4日、家主は突然 A氏夫妻に対し、1週間以内に部屋を空けるよう要求する退去通知を家の扉に貼り出した。
家主が、A氏の妻が末期癌患者である事実を後になって知り、それを問題視してA氏夫妻を退去させることを決めた。
A氏は「賃貸契約を結ぶ前に、家主に妻の健康状態を伝えなかった。これは個人的な健康問題であり、賃貸契約とは関係がなかったからだ」と述べた。
家主は「A氏の妻が自宅で亡くなった場合、『幽霊がでる家』と見なされ、不動産価値が50万元から100万元(約1025万円~2050万円)下がる可能性がある」と述べ、「A氏夫妻が居住していたという理由でアパートの価値が下がった場合、その補償を含む覚書に署名するように」と要求した。
A氏夫妻はこの要求を拒否し、契約解除に対する補償を要求したが、家主がこれを拒否し、対立が続いている。
この出来事が知られると、中国のネットユーザーは「家主がこのように行動するのは非人道的だ」、「入居前に病人がいることを伝えなかったのは責任がある」などの声が上がった。
ただし「家主の立場も理解できるが、契約違反に対する補償は必要だ」、「問題を抱えた不動産を売却するのは難しいが、それでも賃貸契約違反に対する補償は行うべきだ」との意見もあった。