家族に知らせず出産した乳児が死亡した後、遺体を4年間にわたり旅行用バッグに放置した30代の母親に対し、検察が懲役7年を求刑した。
大田検察庁は26日、大田地方裁判所刑事11部(チェ・ソクジン部長刑事)の審理で行われた結審公判において、Aに対し児童虐待致死などの容疑で懲役7年の判決を求めた。
検察側は、Aが「妊娠中もホテルに滞在し無節制な生活を続け、出産後も適切な母乳育児を行わず、最終的に乳児が死亡した」と述べた。
これに対してA側の弁護士は、「Aは一人でトイレで出産し、適切な育児方法を学ぶことができない状態であった。乳児が生存している間にお酒を飲んだり外出したりしたことはなく、死亡後に精神的な苦痛を抱え、事件を忘れるためにお酒を飲んだ」として、寛大な処分を求めた。Aは最終陳述で「申し訳なく、反省しながら生きていきたい」という短い言葉を残した。
Aは2019年9月、大田西区ゲジョンドンのビラで子供を出産したが、子供は生後数日で死亡した。Aは死亡した子供を届け出ず、遺体を旅行用バッグに入れて放置した。その後、2021年9月にバッグを置いてビラを去り、行方をくらまし、1年以上連絡が取れなかった。
昨年10月3日、ゲジョンドンビラの所有者が競売処分のため家を整理していた際、Aの家財を片付ける過程で放置されていた旅行用バッグから白骨化した乳児の遺体が見つかり、警察に通報した。警察は通報を受け、現場を調査し、防犯カメラの映像を分析した結果、バッグの所有者がAであることを確認した。遺体は既に死亡から4年が経過しており、白骨化が進んでいたため性別すら識別が困難な状態であった。
その後、警察は大田西区カルマドンの住宅でAを緊急逮捕した。Aは自分が生んだ子供であることを認め、「2019年9月に出産したが、乳児は4、5日後に病気で死亡した。怖くて届け出ができなかった」と供述した。また、Aは「遺体をバッグに入れ、引っ越しの際にもそのバッグを一緒に持っていった」と述べた。
警察はAの供述に基づき追加調査を行い、Aが未婚の母親であり、幼児の父親についての情報は不明であることも確認された。乳児は出生届も出されていない、いわゆる「幽霊児童」であった。出産記録もなかったため、警察や大田市が実施した一斉調査でも乳児の存在が明らかにされなかった。
現在、Aは拘束されていない状態で裁判を受けている。裁判所によって拘束状が却下されたためである。