「38年間に渡る政治生活の総決算、最後の戦いに挑む」
27日(現地時間)に行われた自民党総裁選挙で、石破茂元幹事長が5度目の挑戦で新総裁に選出された。多数党の自民党総裁であるため、悲願の首相の座につくことになる。
石破茂新総裁は、鳥取県知事や自治大臣を歴任した石破二郎氏の息子として生まれた。慶応大学を卒業後三井銀行(現三井住友銀行)で勤務し、その後田中角栄元首相の勧めで政界に入った。
彼は1986年の衆議院選挙で29歳で当選し、最年少議員として活動を始めた。その後は防衛大臣、農林水産大臣、地方創生担当大臣などを歴任し、エリート政治家としての道を歩んできた。
石破新総裁はミリタリーマニアに鉄道好きで知られ、伝説的なアイドルグループ「キャンディーズ」の熱烈ファンであり、純文学から漫画まで幅広い本を読む読書家としても有名だ。また、「ラーメン文化振興議員連盟」の会長を務め、全国各地を巡り、ラーメンを通じた地方創生とインバウンドの底上げに力を入れている。
一方で、安倍晋三元首相とはしばしば対立してきた。自民党の右派傾向の議員とは異なり、日韓の歴史問題に比較的穏健な声を上げるハト派と評価されている。
石破新総裁は以前よりいくつかの世論調査で「次期総理に相応しい人物」として名を挙げてきたが、自民党内の議員の支持が弱く苦戦を強いられてきた。2012年には安倍晋三元首相に、2020年には菅前首相に勝利を譲った。
彼は今回も1回目の投票で高市早苗候補に27票差で首位を奪われ、苦戦を強いられた。しかし2回目の決選投票で21票差で高市候補を倒し、最終的に第28代自民党総裁に選出された。