■ 北朝鮮の核戦力規模は
米大統領選挙を控え、ウラン濃縮施設を誇示
北朝鮮は11月の米大統領選挙を控え、ウラン濃縮施設の公開に続き、核戦力の強化に注力している。10月7日の最高人民会議では、核保有を明文化した昨年の憲法改正を裏付ける「敵対的二国家論」などの内外向けの論理を強化する見込みである。
27日、韓国軍と専門家たちによると、北朝鮮は最近核の濃縮施設を拡大させながら、プルトニウム(Pu)と高濃縮ウラン(HEU)の保有量を増やしてきた。
韓国で北朝鮮の核問題に関する最高の専門家と称されるイ・チュングン韓国科学技術政策研究院名誉研究員は最近、「北朝鮮は2010年以前からHEUを大量生産しており、永辺(ヨンビョン)の濃縮工場が2倍に拡張されたことを反映すると、2020年頃までに700~800キログラムを生産したと考えられる」と述べ、「平安南道降仙(ピョンアンナムド・カンソン)など他の地域にも濃縮工場が存在すると仮定すると、生産量が1400~2400キログラムに増え、中間で改良型遠心分離機の開発に成功したと仮定すると3000キログラム以上と推計することもできる」と分析した。
国家情報院もプルトニウム約70キログラムに高濃縮ウラン相当量を保有しており、これは最低でも二桁以上の核兵器を製造できる量であると明らかにした。韓国国防部傘下の韓国国防研究院(KIDA)は2023年1月、北朝鮮の核戦力評価に関して「現在核兵器は約90発、2030年には160発以上を保有する見込みである」と分析した。
米ランド研究所と韓国の牙山(アサン)政策研究院は共同研究を通じて、北朝鮮が核兵器を毎年12~18発ずつ追加確保し、2027年までに151~242発の核兵器を保有する見込みであると推計した。
北朝鮮は昨年9月、社会主義憲法第58条を改正し、「朝鮮民主主義人民共和国は責任ある核保有国として国の生存権と発展権を保障し、戦争を抑止し、地域と世界の平和と安定を守るために核兵器の発展を高度化する」と規定した。核兵器の保有・使用・開発の方針と正当な理由を憲法に明記することに焦点を当てた憲法改正であった。北朝鮮は来る10月7日に最高人民会議を開いて「敵対的二国家論」を裏付ける憲法改正に着手する予定である。