イランがイスラエルに対する弾道ミサイル攻撃を控えているとの米国の警告が1日(現地時間)の国際原油価格を大幅に押し上げた。
イスラエルのガザ戦争がレバノンの地上戦に拡大する中、イランまで戦争に突入するのではないかという不安感から原油価格が3%急騰した。
中東戦争拡大が危惧される中、テスラとエヌビディアがそれぞれ3%超の急落を記録し、ビッグテック銘柄全体が下落し、ニューヨーク株式市場のナスダック指数は2%以上急落した。
金融市場が中東戦争の懸念に沈み込んでいる。
原油価格が3%急騰
国際原油価格の基準となるブレント原油は午前の取引で前日比1.84ドル(約265円、2.6%)急騰し、バレル当たり73.75ドル(約1万627円)に跳ね上がった。
米国原油価格の基準となるウェストテキサス中間原油(WTI)も1.88ドル(約271円、2.8%)急騰し、バレル当たり70.05ドル(約1万100円)に上昇した。
米国がイランによるイスラエルへの弾道ミサイル攻撃の可能性を予告したことが、投資家たちの石油供給不安を煽った。
米ホワイトハウスはイランが間もなくイスラエルに向けて弾道ミサイルを発射すると警告した。
これに対しイスラエル軍がまだそのような兆候はないと明らかにしたものの、投資家たちの不安感は払拭されなかった。
ニューヨーク株式市場、全体的に下落
ニューヨーク株式市場の主要3指数は全て下落した。
東部時間の午前11時28分現在、テクノロジー株中心のナスダックは前日比357.14ポイント(1.96%)急落し、17,832.03に滑り落ちた。
スタンダード&プアーズ(S&P)500は64.99ポイント(1.13%)下落し、5,697.49に、ダウ・ジョーンズ工業株平均は222.45ポイント(0.53%)下げて42,107.70に落ちた。
「ウォール街恐怖指数」として知られるシカゴオプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数(VIX)は15%急騰した。VIXは2.47ポイント(14.76%)急騰し、19.20に急上昇した。
取引開始からさほど経たないうちにM7ビッグテック銘柄が急落を見せ、株価全体の下落傾向を後押しした。
テスラは9.16ドル(約1319円、3.50%)急落し252.47ドル(約3万6360円)、エヌビディアは4.07ドル(約586円、3.35%)急落し117.37ドル(約1万6903円)に下落した。
アップルも7.82ドル(約1126円、3.36%)急落し225.18ドル(約3万2429円)、マイクロソフト(MS)は10.06ドル(約1449円、2.34%)下落して420.24ドル(約6万521円)に押し下げられた。
投資家たちは安全資産である国債に殺到した。
基準となる10年物米国債の利回りは0.072%ポイント下げて3.728%に低下した。
国債の利回りは価格とは逆に動く。投資家たちが国債に殺到し価格が上昇すると、利回りが下がった。