ウォール街の恐怖指数が18%急騰
ニューヨーク証券市場は、7日(現地時間)、一斉に大幅下落した。
イスラエルとイランの対立が激化し、中東での戦争拡大の懸念が高まる中、国際原油価格が1バレル80ドル(約1万2000円)を突破。さらに、アメリカの労働市場が好調を維持する中、利下げ幅が0.25%にとどまるとの見通しにより、アメリカ国債10年利回りが4%を突破し、株式市場に悪影響を与えた。
この日、ウォール街の恐怖指数は18%も急騰した。
テスラは失速、エヌビディアは躍進
ニューヨーク証券市場の史上最高値更新はまたしてもストップした。
ダウ平均は12,000ポイント、S&P500は5,700ポイントを割り込み、ナスダックも1日で再び18,000ポイントを下回った。
ダウは前週末比398.51ポイント(0.94%)下落して41,954.24、S&P500は55.13ポイント(0.96%)下落し5,695.94で取引を終えた。
ナスダックも213.95ポイント(1.18%)下落して17,923.90に沈んだ。
「ウォール街の恐怖指数」であるCBOE変動性指数(VIX)は急騰し、3.43ポイント(17.86%)上昇して22.64に達し、一気に20を突破した。
アップルの買い推奨を取り下げ
テスラとエヌビディアの運命が大きく分かれた。
エヌビディアは、9月の雇用動向でアメリカの労働市場の堅調さが確認され、景気後退の懸念が和らいだことが追い風となった。経済成長が続く中、企業のAI投資が活発に進むという期待がエヌビディアの株価急騰につながった。エヌビディアは前週末比2.80ドル(2.24%)上昇し、127.72ドル(約1万9000円)に達した。
一方、テスラは9.25ドル(3.70%)急落し、240.83ドル(約3万6000円)まで下落。10日のロボタクシーデーを前に、これまでの急騰による利益確定売りが続いている。
国際原油価格の急騰
アップルは5.11ドル(2.25%)下落し、221.69ドル(約3万3000円)まで値を下げた。
投資銀行ジェフリーズがアップルの買い推奨を取り下げたことが、株価急落の原因となった。
ジェフリーズは、アップルが発表予定のAI「Apple Intelligence」への市場の期待が過度だとして、推奨意見を「買い」から「保有」に引き下げた。
しかし、目標株価は205ドル(約3万円)から212.92ドル(約3万1500円)に引き上げられた。
国際原油価格は3.7%の急騰を見せ、5営業日連続で上昇した。
1日にイランがイスラエルに180発の弾道ミサイルを発射した日から、5取引日連続で上昇している。
イスラエルがイランへの報復を誓ったことで、その影響が原油価格をさらに押し上げる可能性が懸念されている。
国際原油の指標であるブレント原油は、前週末比2.88ドル(3.69%)急騰し、1バレル80.93ドル(約1万2000円)に達した。
米国原油の指標である西テキサス産原油(WTI)も2.76ドル(3.71%)上昇し、1バレル77.14ドル(約1万1500円)で取引を終えた。
ブレント原油が1バレル80ドル(約1万1800円)を超えたのは、8月後半以来となる。