北朝鮮が散布した汚物風船には水素ガスが詰められており、発熱タイマーと火薬によって風船が破裂し、ゴミが散布される仕組みであることが7日に確認された。ただし、軍当局は風船内部の火薬や水素による爆発の危険性は低いと判断している。
国防部がこの日、国会行政安全委員会所属のチェ・ヒョンイル(共に民主党)議員に提出した資料によると、北朝鮮は直径3~4mのゴム風船にゴミ、ビニール、肥料などを入れたビニール袋を吊るし、汚物風船を作り散布したことが確認された。水素は、気球を浮かせる際に使用するヘリウムガスに比べて10分の1の価格であるが、火がつくと爆発する性質があり危険性がある。また、風船の素材は天然ゴムであることも確認された。風船と袋の間には電池で作動する発熱タイマーが取り付けられており、タイマーは袋に巻かれた火薬帯と接続されていると国防部は伝えた。
北朝鮮は風向きや風速を考慮しながら風船を南へ浮かべ、一定時間が経過したら電線に電気を流して火花を発生させ、火薬帯が発火し空中でゴミが散布される仕組みである。北朝鮮はこの日、3日ぶりに再び対南汚物風船の散布を行った。5月28日に初めて「汚物風船」を散布して以来、25回目の挑発となる。
イ・ソンジュン合同参謀本部広報室長は定例ブリーフィングで「発熱タイマーに熱を発生させるための火薬成分が含まれているが、これが爆発を引き起こす危険性は低いと判断している」と述べ、「したがって、爆発や『ポン』という破裂音に関する報道は誤解を招く表現である」と補足した。