テスラのイーロン・マスクCEOは11月5日の大統領選まで、共和党の大統領候補であるドナルド・トランプ前大統領に「オールイン」し、激戦州での選挙集会にも直接参加する予定だ。
7日(現地時間)アメリカの政治特化メディア「ポリティコ」によると、マスク氏はトランプ前大統領の「代理人」としての役割を強めており、今後数週間、激戦州ペンシルベニアでの選挙応援を計画している。
ペンシルベニアは選挙人数が19人と最も多く、この地で勝利した候補が大統領になる可能性が高いと専門家も分析している。
また、マスク氏はトランプ前大統領の選挙運動を支援する特別政治活動委員会(スーパーPAC)の1つであり、自身が立ち上げた「アメリカPAC」を使って、脱法的手法により謝礼の名目で「現金」を支払う署名活動を進めようとしている。
アメリカPACは現在、激戦州といわれる東部のペンシルベニア、中西部のウィスコンシン、ミシガン、南部のジョージア、ノースカロライナ、西部のアリゾナ、ネバダの7州において、憲法修正1条、2条に規定されている言論の自由や銃所持の権利を支持する署名活動を行っている。
同日、マスク氏は「X(旧Twitter)」に「激戦州で1人紹介するごとに47ドルが受け取れる。お金を稼ぐのは難しくない」と投稿をした。
署名活動は保守的な政策を支持する人々を洗い出し、トランプ前大統領への投票意欲を高めるための「事実上の選挙運動」だが、米国の連邦法では、投票や有権者登録と引き換えに金銭を授受することや有権者の買収行為は禁止されているものの、マスク氏の活動は直接トランプ前大統領への投票を呼びかけているわけではないため、違法ではない。
マスク氏は激戦州で100万件の賛同を得ることが目標だと話しており、目標を達成するには合わせて4,700万ドル(約67億円)を支出する計画だ。
「ニューヨーク・タイムズ」は「マスクは紹介や口コミが最も効果的な政治活動だと見ている」とし、「決済会社であるペイパル設立時やテスラの販売プロモーションの際にも紹介制度を活用した」と伝えた。