ウクライナ軍がドローンによるロシアの武器庫への攻撃に成功したが、武器庫の中には北朝鮮から提供された大量の兵器も保管されており、ロシアに重大な被害を与えたという。
一方、ウクライナのゼレンスキー大統領は来年の終戦に向け、欧州諸国の首脳と面会の場を持ち、支援を訴えている。
9日、ウクライナ参謀本部は「ドローン攻撃により国境地帯にあるロシア西部ブリャンスク州の武器庫を攻撃した」と声明を発表した。
この攻撃により、北朝鮮が提供したミサイルや砲弾などの兵器や弾薬が保管されていた武器庫も火に包まれた。
ウクライナ国境から115キロメートル離れた武器庫にはこれまでウクライナの防衛を混乱に陥れてきた強力な滑空爆弾も保管されており、弾薬の一部は屋外に置かれていたという。
なお、攻撃対象となった武器庫はロシア国防省傘下ミサイル砲兵局(GRAU)の第67武器庫とのことだ。
アメリカ政府系放送局「ラジオ・フリー・アジア」はアメリカ国防省の高位関係者の話を引用し、今回の攻撃により北朝鮮がロシアに供給した数十万発の弾薬が破壊されたと報じた。
そして、2022年にウクライナ侵攻が始まって以来、ロシアの弾薬保有量に最大級の損失を与え、ロシア軍の前線への弾薬調達に支障が出るだろうと予想した。
ロシア側は兵器庫には言及せず、ブリャンスク州の非常事態当局が「(ブリャンスク州は)管理状況下にある」と発表した。州知事は、夜間にドローン24機を迎撃したと述べるにとどまった。
イギリス、フランス、イタリアに相次いで訪問するなど、ゼレンスキー大統領は来年までの終戦を目指し、各国にウクライナがまとめた「勝利計画」への支援を求める予定だ。
この日、ゼレンスキー大統領はクロアチアのドゥブロヴニクで開催された第3回ウクライナ・南東欧サミットで「10月から12月にかけて平和と長期的な安定に向けて状況を一変させるタイミングがある」とし、「現在の戦況から見て、戦争を遅くとも来年までに終結する機会はある」と強調した。
ただし、「戦争を終結する機会」というゼレンスキー大統領の発言について、具体的な内容は明らかにされなかった。