韓国のキム・ミョンス合同参謀本部(以下、合参)議長は10日、北朝鮮が南北を結ぶ道路と鉄道を完全に封鎖し遮断、要塞化したことについて「内部の人員が外部へ脱出することを防ぐ意図である」と説明した。
キム議長は同日、ソウル龍山(ヨンサン)にある合参庁舎で行われた国会国防委員会の国政監査で非公開報告を通じて「北朝鮮は今年8月、南北を結ぶ通路の全体遮断作業を完了した」と述べた。南北を結ぶ通路は京義(キョンイ)線と東海(ドンへ)線、ファサルモリ(やじりの意)高地、板門店共同警備区域(JSA)など4か所である。合参によると、北朝鮮は昨年11月から京義線と東海線に地雷を散布し、今年3月には東海線の道路フェンスを撤去した。4月には京義線の道路街灯を、5~6月には東海線の鉄道レールと枕木、街灯を撤去した。8月には京義線の列車保管所の解体をもって作業を終了している。北朝鮮が今になって断絶措置を通知した背景について、キム議長は「正当性を確保しようとする目的がある」と推測した。北朝鮮軍総参謀部は前日、「9日から韓国と接続された我々側地域の道路と鉄道を完全に断ち、堅固な防御構築物で要塞化する工事が進められる」と発表した。
キム議長は「現在、北朝鮮との戦争の可能性はどの程度か」というパク・チャンで共に民主党院内代表の質問に「我々の対策態勢は確固としており、北朝鮮との戦争の可能性は今のところそれほど高くない」と答えた。ただし、キム議長はキム・ジョンウン(金正恩)北朝鮮国務委員長が今月7日「韓国を攻撃する意思は全くない」と述べたことについては「私は敵を信じない」とし、北朝鮮の武力挑発の可能性を排除しなかった。
彼は北朝鮮の汚物(ゴミ)風船に関して「我々の国民に重大な被害が発生するなら、断固たる軍事的措置で対応する」と強調した。これは風船を浮揚させた場所を含む支援・指揮勢力に対する攻撃を意味するとのことである。
与野党は同日、ユン・ソンニョル(尹錫悦)政府の対北朝鮮安全政策を巡って神経戦を繰り広げた。野党議員はユン政府の下で戦争の危険が高まった上、韓米日安全協力がむしろ日本の盾になっていると批判した。一方、与党議員は北朝鮮が恐怖を感じるほどの軍事力を持たなければならないとし、強硬な対応を求めた。
与野党は2018年12月、国防部の「北朝鮮最前線監視所(GP)地下施設完全破壊」発表の操作疑惑を巡っても激突した。与党が当時、北側GPの実際の破壊の有無が確認されていないと主張すると、キム・ビョンジュ民主党議員は「屁理屈だ」とし、「(当時の北側GPは)十分に破壊された」と反論した。