10日(現地時間)「ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)」などの海外メディアは、イランがサウジアラビアなどアメリカと友好関係にある中東の湾岸諸国に対し、「イスラエルに協力することは決して容認できない」と強く警告したと報じた。
複数の中東地域の情報筋の言葉を引用し、イランはアラブ首長国連邦(UAE)やサウジアラビア、カタールなどの湾岸諸国に、イスラエルのイラン攻撃に際して領空使用などを許可する場合、「次の標的となることもありえる」と警告したとWSJは伝えた。
湾岸諸国の中には自国に米軍基地を配備しているアメリカの友好国が多い。
最近、湾岸諸国はイスラエルがイランを攻撃する場合、自国の領土と領空の使用を一切許可しない意向をアメリカに伝え、イスラエルのイラン石油施設への報復攻撃を阻止するよう働きかけているといわれている。
イランがこれらの国に具体的にどのような警告を伝えたのかは明らかにされていないが、自国の原油施設がイランから攻撃を受ける可能性を懸念し、各国が自らこのような決定を下したようだと情報筋は伝えた。
また、万が一、イスラエルに協力する動きを取った場合、各国の米軍施設と兵力も危険にさらされる可能性がある。
中東外交を活発化しているイランのアラグチ外相は、前日9日にはサウジアラビアを訪問し、ムハンマド皇太子やファイサル外相らと会談した。
イラン外務省は今回の会談の中で「湾岸諸国がどのような手段であれ、イスラエルに協力することは容認できない。その場合、イラクやイエメンの親イラン勢力が報復に出る可能性がある」と明確なメッセージを伝えたと話した。
サウジアラビア王室の情報筋もイラン側が湾岸諸国に「イスラエルに対して領空使用を許可するなら、それはすなわち戦争行為とみなされる」と強く警告したと述べ、サウジアラビアはイランの懸念を湾岸諸国と共有すると保証したという。