アメリカの共和党候補であるドナルド・トランプ前大統領が、ペンシルベニア州で行ったタウンホールイベント中に突然30分間の「ダンス」を披露し、物議を醸している。15日(現地時間)、ニューヨークタイムズ(NYT)とワシントンポスト(WP)は、この突発的な状況を一斉に報じた。
トランプ前大統領が国境閉鎖などの強硬発言を続けていた会場で、突然一人の男性が倒れるという緊急事態が発生した。その時彼は、選挙陣営スタッフに「アヴェ・マリア」を流してほしいと頼んだ。
質疑応答が再開されたが、すぐにまた他の女性が緊急治療を受けるために移動し、再び質疑応答が中断された。
その後、トランプ前大統領は騒動が落ち着いた後に移民問題に関する発言を再開したが、再びパヴァロッティの「アヴェ・マリア」を流してほしいと要求した。
彼はその後、約5つの質問に答えた後、「これ以上質問しないで、音楽でも聴こう」と述べ、自身の「プレイリスト」を次々と流し始めた。
トランプ前大統領の選挙キャンペーンの定番エンディングソングである「YMCA」をはじめ、ジェームス・ブラウンの「マンズ・マンズ・ワールド」、ルーファス・ウェインライトの「ハレルヤ」など、9曲が続けて流された。トランプ前大統領は約30分間、ステージ上で体を揺らし続けた。
NYTは、トランプ前大統領の選挙現場では劣悪な環境で長時間待たなければならないため、しばしば緊急事態が発生すると指摘し、「トランプ前大統領は場が落ち着くと演説を再開していたが、今回はその後の状況にどう対処すべきか悩んでいる様子だった」と述べた。
民主党候補であるカマラ・ハリス副大統領とその陣営は、この出来事を即座に攻撃した。
ハリス陣営は、トランプ前大統領がステージで体を揺らしている映像をSNSで共有し、「トランプ氏は30分以上音楽が流れる中、ステージで正気を失ったかのように混乱し、観客は次々と会場を後にした」と嘲笑した。
ハリス副大統領はそのツイートをリツイートし、「彼が問題ないことを願う」と皮肉を込めてコメントした。
一方、この日使用された自身の楽曲について、ルーファス・ウェインライトは翌日インスタグラムにて、「昨夜、トランプ氏とその支持者が私の音楽と交感している姿は冒涜の極みだ」と批判し、トランプ陣営に対して楽曲の使用中止を求める書面を送付したと明かした。