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2024年10月17日木曜日
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サッカーが受刑者の社会復帰を後押し、ツイニングプロジェクトの効果とは?

受刑者とサッカーコーチを結びつけ、サッカーを教えることで、受刑者の社会的つながりを強化し、刑務所内での行動を改善して社会復帰を支援する効果があるという研究結果が発表された。

15日、イギリス・オックスフォード大学のマーサ・ニューソン教授の研究チームは、科学雑誌「Nature Human Behaviour」に掲載された論文で、地域のプロサッカークラブと刑務所を結びつける「ツイニングプロジェクト(Twinning Project)」の効果を分析し、このような結論に達したと明らかにした。

ツイニングプロジェクトは、受刑者の精神的・身体的健康の改善を目的としたサッカーを基盤とするプログラムである。リヴァプールFCやマンチェスター・ユナイテッドFC、チェルシーFCなど、イギリスの地域プロサッカークラブが刑務所と連携し、受刑者にサッカーを教えることから始まった。現在では、アメリカ、イタリア、オーストラリア、南アフリカ共和国などでも実施されている。

研究チームは、ツイニングプロジェクトに参加しているイギリスの45か所の刑務所で服役中の受刑者のうち、プログラムに参加した676人と参加していない1874人の行動や出所後の再犯状況を比較した。

また、受刑者の出所後の地域社会への復帰に関して、イギリスとアメリカのオンラインサンプルに含まれる元受刑者1797人を対象に、出所後にどのような要因が就職に影響を与えるのかを調査するアンケートを実施した。

ツイニングプロジェクトに参加した受刑者は、プロのサッカーコーチからコーチングや技術を学ぶ中で、ポジティブな集団アイデンティティを形成し、刑務所内での行動が改善され、出所後の社会復帰にも役立ったことが明らかになった。

ツイニングプロジェクトに参加した受刑者の場合、プログラム参加後の2か月間に刑務所内で規則違反により処罰を受けた者は、100人中15人だった。一方、プログラムに参加していない受刑者では、同期間中に100人中31人が規則違反を行ったことが明らかになった。

研究チームは、このようなプログラムの成功は、受刑者の態度や楽観的な考え方に左右される可能性があると指摘した。それでも今回の結果は、サッカープログラムが受刑者の社会的関係を向上させ、彼らの社会復帰を促進する可能性を示しており、社会的なつながりを形成するプログラムが再犯率低下の手段として活用できる可能性があると述べた。

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