北朝鮮の核の脅威を含め国際情勢の緊張が高まる中、冷戦以降核の脅威が最大に達しているとの懸念が表明された。ロシアによる核の脅威が徐々に高まる中、北朝鮮による核脅威も頻繁になっているためだ。
米国の日刊紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は現地時間の15日、冷戦後に終息したと思われていた核の悪夢が再び蘇っているとし、「核保有国の軍縮努力が今のように非現実的に見える時代はなかった」と指摘した。
特に米国に次ぐ世界第2位の核保有国であるロシアによる核の脅威がますます高まっている。
米国とロシアの戦略核弾頭の制限を柱とする新戦略兵器削減条約(New START)は2026年2月に終了するが、ロシアは昨年、参加の中止を宣言した状態にある。
ロシアはウクライナ侵攻後の昨年11月、すべての核実験を禁止し検証制度を強化する包括的核実験禁止条約(CTBT)の批准を撤回した。
さらに最近、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は先月、ウクライナを支援する西側諸国を対象に、非核保有国が核保有国の支援を受けてロシアを攻撃する場合、これを二国間の共同攻撃と見なす内容を含む核ドクトリンの改正方針を明らかにした。
WSJは「世界最大の核保有国であるアメリカとロシアが二つの軸を担っている非拡散体制自体が重大な脅威に直面している状況であり、北朝鮮の核の脅威をはじめ、中国の急速な核拡張など複雑な要因がここに加わっている」と指摘した。
米国は核保有を急速に拡大している中国を最大の脅威と見ている。
米防総省は、中国が現在約500個の核弾頭を保有していると推定しており、2035年にはロシアと同程度の1500個に拡大すると見込まれている。
これに対し専門家は、中国を加えた多極化した核の脅威に対応するため、米国内での核強化の必要性が高まっているとの分析を示している。
実際、米下院戦略態勢委員会は昨年の報告書で、ロシアと中国という二つの同時多発的な脅威に対応するために核能力を強化すべきだと提言した。
北朝鮮も長期的な対応課題の一つとされている。WSJは北朝鮮の核問題に関連し、共和党の大統領候補であるドナルド・トランプ前大統領の再選時に国家安全保障顧問候補として名前が挙がっているエルブリッジ・コルビー前国防次官補の発言に注目した。
コルビー前次官補は、米国が中国への対応に焦点を合わせられるように米韓同盟の再編が避けられないとし、韓国には北朝鮮の脅威に対応するために核を含むすべての選択肢が与えられるべきだと述べた。
WSJは韓国のキム・ヨンヒョン国防長官も自国の核武装を含めすべての可能性を開いているとし、バイデン政権で完全に排除されていた朝鮮半島の核資産再配置などのカードがトランプ政権誕生時に活性化される可能性を示唆した。