NATO(北大西洋条約機構)加盟国間で、ウクライナの加盟招待をめぐり立場の違いが浮き彫りとなっている。
ユラクティブの報道によると、オランダのブレケルマンス国防相は19日(現地時間)、NATO国防相会議後の記者会見で、加盟国間の内部事情について言及。米独は対露関係の悪化を懸念し慎重な姿勢を示す一方、ポーランドやリトアニアなどはウクライナの早期加盟を強く後押ししているという。
同相は、ウクライナへの正式な加盟招待には、事前に達成すべき具体的な条件について加盟国間の合意が必要だと指摘。さらに、正式加盟に向けた追加条件についても検討が先決との認識を示した。具体的な条件として、汚職対策、戦時下における課題、軍の近代化などを例示。「明確な条件なしでは32カ国の同意は得られないだろう」との見方を示した。
ゼレンスキー・ウクライナ大統領は先日、ブリュッセルのEUとNATOを歴訪し、「勝利計画」と銘打った戦争終結への構想を提示。その中でNATO加盟招待を重要な柱として掲げた。NATO加盟国は7月の首脳会議で、ウクライナの加盟は「不可逆的な道筋」にあると表明したものの、具体的な時期には言及しなかった。ウクライナ側は、戦時下での正式加盟が困難でも、加盟招待を通じた安全保障の確約が不可欠だとの立場を示している。