衆議院選挙を1週間後に控え、与野党が議席数を同数に分け合うことが望ましいとの世論調査結果が出て、自民党関係者が焦りを募らせている。危機に陥った石破茂首相が賃金引き上げの切り札で突破口を見出すことができるか注目される。
21日、共同通信によると、19日から20日にかけて実施された電話全国世論調査で「今回の選挙で望ましい結果は何か」という質問に対し、「与党と野党が議席数を均等に分け合うべきだ」という回答が49.7%に達した。野党第1党である立憲民主党中心の野党逆転を期待する支持率は20.5%で、前回の調査より5.4%増加した。自民党中心の与党連合(自民・公明党)への支持率は24.8%だった。この傾向は比例代表や小選挙区の政党支持率にも影響を与えている。比例代表の政党支持率において、自民党の支持率は22.6%で、1週間前の調査より3.8ポイント減少した。一方、立憲民主党の支持率は14.1%を記録し、両党の支持率の差は8.5ポイントに縮まった。小選挙区の候補者支持率では、野党候補者への支持率が33.2%となり、与党候補者の支持率24.6%を初めて上回った。
このように自民党支持率が停滞しているのは、石破首相の政治改革スローガンと裏金事件に関与する議員の公認問題が、有権者に新鮮さを感じさせないためである。石破首相が党内の反発を懸念し、発言や政策のレベルを調整する中で世論が悪化しているのだ。
ただし、無党派層が40%に達していることが、大きな不確定要素となっている。特に労働界が要求している賃金上昇が、石破首相にとってはチャンスとなる見通しだ。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は、組合員約700万人を擁する日本労働組合総連合会が、来年の賃金交渉で5%の引き上げ要求を貫徹できるとの予測を示した。石破首相が景気後退を克服するために「賃上げと投資がけん引する成長型経済」の実現を推進する方針を繰り返し明らかにしているからだ。