アメリカ大統領選挙まで2週間を残す中、ニューヨークを拠点にする仮想資産の政治ベッティングサイト「ポリマーケット」が不正の疑惑に直面している。
ポリマーケットによると、共和党大統領候補であるドナルド・トランプ前大統領の当選確率が圧倒的に民主党候補であるカマラ・ハリス副大統領を上回っており、結果の操作の可能性が指摘されている。
ポリマーケットは22日、西部時間(PDT)午後2時50分(日本時間23日午前6時50分)の時点で、トランプ前大統領の当選確率を64.1%と予想した。一方、ハリス副大統領の当選確率は3%にとどまっている。トランプ前大統領の64%の当選確率は、6月28日に行われたトランプ前大統領とジョー・バイデン大統領の討論後の水準とほぼ一致している。
さらに、ポリマーケットは今回の大統領選の命運を握る7つの競争州で、すべてトランプ前大統領が勝利する可能性が高いと見込んでいる。
一部のアメリカメディアは、ポリマーケットのユーザーが最新のニュースに敏感であるため、世論調査よりも正確だと報じている。これに関連して、ノースウェスタン大学のトーマス・ミラー教授は「フォーチュン」誌で「政治ベッティングサイトは集団知性を予測する上で最も優れている」と述べた。
トランプ前大統領を支持しているテスラのイーロン・マスクCEOが、ベッティングサイトの正確さを高く評価し、自身のX(旧ツイッター)で支持者にベッティングへの参加を促したのもこのためだ。
ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は、ポリマーケットの大統領選ベッティングは、ユーザーが1ドル(約152円)の価値を持つステーブルコインを利用して行う方式であると紹介した。ポリマーケットでの大統領選結果予測ベッティングの取引額は、これまでに約22億ドル(約3354億円)に達している。
ポリマーケットでは「トランプが2024年の大統領選で勝つか?」という質問に「はい」か「いいえ」で答える形でベッティングが行われている。このサイトで最低10ドル(約1525円)をチャージすれば、質問に答えることができる。
しかし、トランプ前大統領の当選可能性がハリス副大統領の当選可能性よりも2倍以上高まったことで、操作の可能性が引き続き提起されている。
WSJは、トランプ前大統領の当選確率急上昇の背景には、大規模な投資を行った一部のユーザーの影響がある可能性があると報じた。
ポリマーケットの動向を監視してきたある仮想資産投資家はWSJに「選挙を前にトランプが勢いを持っているように見せかける試みのようだ。これは購入可能な最大の政治広告だ」と述べた。
一方、ポリマーケットはアメリカ大統領選に対するベッティングが規定通りアメリカ国外で行われたかを確認する検証作業を進めている。アメリカ国内でのポリマーケットでのベッティングは禁止されているが、仮想プライベートネットワーク(VPN)を利用してポリマーケットにアクセスする方法も紹介されている。
写真=ポリマーケット