朝鮮中央通信は23日、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記が戦略ミサイル基地を視察し、発射関連施設の要素別機能や能力、戦略ミサイルの戦闘即応態勢など、国家安全に直結する戦略的抑止力の稼働準備態勢を点検したと報じた。/写真=聯合ニュース
金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記が戦略ミサイル基地を視察し、米国の脅威を口実に核・ミサイルの高度化を正当化しようとした。ロシアのウクライナ侵攻への派兵の見返りとして、核・ミサイル技術移転を受ける可能性が高まっており、国際社会からの非難を回避するための名分作りと見られている。
北朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は23日、金総書記が妹の金与正(キム・ヨジョン)労働党副部長と共にミサイル基地を視察したと報じた。
金総書記は「米国の戦略的核兵器が北朝鮮の安全環境に与える脅威は日増しに深刻化している。我々の戦争抑止力をより確実に向上させ、核戦力の徹底した対応態勢を厳格に整えることが切実に求められている」と主張した。
さらに、「戦略ミサイル戦力を最優先し、軍事力全般を技術的に現代化することは、我が党が一貫して堅持している国防建設戦略の重要な原則だ」とし、「戦略ミサイル基地をさらに現代化・要塞化し、すべての基地が様々な状況下でも任意の時点で迅速に敵に戦略的反撃を加えられるよう、徹底した対応態勢の維持に万全を期せ」と指示した。
北朝鮮は最近、1500人の兵力をウクライナに派遣し、今後1万2000人を追加派兵する計画を明らかにした。これはロシアから核・ミサイル技術を移転してもらう意図があるとされているが、尹錫悦政権が先制的に派兵の事実を公表したため、国際社会から非難を受けている。
金総書記が米国の脅威に言及し、核開発の正当性を主張するのはそのためと見られる。前日には、金与正副部長が談話を発表し、「韓国とウクライナは狂った連中だ」と核保有国への挑発だとして激しい非難を行った。
北朝鮮の核の高度化の可能性が高まる中、米国はNATO(北大西洋条約機構)や欧州など国際社会との共同対応を強化する方針を示した。これを受けて、韓国政府は前日、ウクライナに攻撃用武器を支援する可能性があると警告した。北朝鮮の行動が国際的なレッドラインを越えたと見なされ、韓国政府は強硬な対応を取る構えを示している。