人工知能(AI)を利用したチャットサービス「ChatGPT」を開発した「OpenAI」について、ChatGPTの開発段階で著作権法に違反する行為があったと元研究員が暴露した。
23日(現地時間)「ニューヨーク・タイムズ」によると、OpenAIで約4年間にわたりAI分野の研究員として勤務したスチャー・バラジ(Suchir Balaji)は、OpenAIが初期開発段階で著作権に関する課題に適切な配慮を行わなかったと主張した。
在職中、インターネット上のデータの収集と整理を担当していたバラジは、データを自由に使用できるのではないかという考えに陥ったと述べた。
しかし、2022年11月のチャットGPTの初期バージョンのリリース後、開発の進め方や慣行に倫理的な問題点を感じるようになったという。
OpenAIが著作権のある著作物を無断使用することは法律違反であり、ChatGPTのような技術は社会に負の影響を与える可能性があるという結論に至り、8月に退職を決意したと振り返った。
退職後は、フリーランスとして個人のプロジェクトを進めているという
ニューヨーク・タイムズは、バラジについて、インターネット上に存在する著作権のあるデータを活用してAI技術の開発を行う方法について公言した最初の内部関係者だと紹介した。
AIによって生成された情報は、根本のデータから直接コピーされていなくても、著作権で保護されたデータ、作品と内容も非常に類似しているため、「フェアユース(*)」の原則が曲解されており、違法性を問うべきだというのが彼の見解だ。
(*アメリカの著作権法などが認める一定の条件を満たしていれば、著作権者から許可を得なくても、著作物を再利用できることを示した法原理)
OpenAIはもともとAIモデルの訓練において、「フェアユース」原則に基づいてインターネット上のデータを活用していると説明している。
そのため、「『フェアユース』の原則に基づき、長年にわたって広く認められてきた法的判例に裏付けられた方法で人工知能モデルを開発している。この原則はクリエイターにとって公平であり、イノベーションにとって必要なことだ。また、米国の競争力強化にとって極めて重要だと考えている」とし、バラジの主張に反論した。
一方、AI企業の著作権侵害問題については、多くの媒体も法的措置を講じ始めている。
21日「ウォール・ストリート・ジャーナル」や「ニューヨーク・ポスト」を傘下に置く巨大メディア企業「News Corp」は、AI関連スタートアップ「Perplexity」を相手に、著作権侵害訴訟を起こした。
ニューヨーク・タイムズも昨年末、AI技術の訓練データとして自社コンテンツを無断使用したとして訴訟を起こし、今月初めには「Perplexity」に著作権侵害を今すぐに中止することを要求した。
その他、「シカゴ・トリビューン」など新聞社8社もOpenAIと「Microsoft」を相手に訴訟を進めている。